スポーツ走行のベース車としてND ロードスターNR-A はかなりオススメだが、


ロールバーを装着するとNC に比べてかなりタイトな車内空間となってしまう。


ヘルメット装着状態では、純正シートではロールバーと干渉してしまうことも。


また、長身のドライバーなら頭上はロールバーを越えてしまう問題が発生する。


その対策方法をブリッドのシートでのポジション調整で探ってみる。

テスト車はNDロードスターNR-A。パーティレース指定のデイーラーオプションのロールバーを装着。低い全高のためバーとの頭上空間も低く、乗降性もタイトそのもの

ドライバーのサンプルモデルは編集部S。身長179cm で、写真のとおり、座高が高いのが特徴

着座位置が高い純正シート。車内空間のタイトさを際立たせる

着座位置が高い純正シートでは、ヘルメットが ロールバーより60mm もオーバーしてしまった。これでは危険。サーキッ トを走ることはできない。

<TEST1>コンペティティブなZIEGは一発で問題解決「ZIGE Ⅲ Type-R」

<TEST1>


まずは、ブリッドの数あるラインアップの中でも「RACING」のひとつ手前のスパルタンモデルとなる「ZIGE Ⅲ Type-R」を装着して、ヘルメットとロールバーの間隔を測定した。




次の<TEST2>で紹介する「VIOS Ⅲ」よりもローポジションで、バックレストが寝た形状だ。ニーサポートも大型で、乗降性よりもホールドを優先したもの。これを装着すると一発で座高問題はクリアした。さらに、クッションの細かいチューニングでよりしっくりポジションを決めることも可能だった。

シートレールとの取り付け穴は、前後とも、いちばん下にした。この状態でもZIGE Ⅲ Type-R はポジションが寝ているのが特徴的だった


張り出したニーサポートのため、 ND だとトランスミッションのコンソールに干渉してしまう。このシートとNDの組み合わせだと、前方に大きくスライドはできない

座面のクッションを外す(通 称:アンコ抜き)と、より ローポジションでクルマとの 一体感が増す印象だった。そ して座面前方のクッションも チューニング

座面前方のクッションは、ZIGE Ⅲ Type-R は寝たポジションのため厚めのものを標準設定。これを VIOS Ⅲの薄いタイプ(右)にしたほうが脚の干渉がなく、しっくりきた。ブリッドによると、これはよくあるチューニング手法だという



ロールバー高とヘルメットとの間隔




座面クッションあり −10mm


座面クッションなし −20mm




座面のクッションがあるなしで、ヘルメット高に−10mm の変化


が。ちなみに着座写真はすべてクッションを外した状態だ

<TEST2>次に試すのはより一般的な形状でシートが立ち気味な「VIOSⅢ」

<TEST2>


次はVIOS Ⅲを装着してテスト。ブリッドのLOW MAX 技術でこちらもローポジションだが、ZIEG より着座位置が高くシートバックも立ち気味。ニーサポートも低めで、前方にスライドしてもトランスミッションのコンソールにも干渉しないため、ZIEG より万人向けで日常性がある印象だ。

BIOSⅢはシート

シートレールとの取り付けは前後いちばん下で低くなる位置だが、VIOS にはシート前方に上下ふたつの穴から選択できる。その上側を選び、写真では立ち気味のポジションとなっている。これだとヘルメットがロールバーを越してしまった。






ロールバー高とヘルメットとの間隔




座面クッションあり  +15mm


座面クッションなし +5mm

TEST2の状態
<TEST3>VIOSⅢのシート前方の取り付け穴は下方を選び、シートを寝かせてみる


<TEST3>


今度はVIOS Ⅲの前方の取り付け穴(写真上/ 20mm 間隔)の下方を選び、シートを寝かせた状態を試す。これでヘルメットの間隔に余裕が生まれるハズ。




だが、シートバックを寝かせるとND だとシートが後方にスライドできず、着座位置が高い状態に。ND はシートが前方だと着座位置が高くなるレール構造の罠があった。









VIOSⅢはシート前方に20mm間隔の取り付け穴が選択でき、シートの傾きをレールの穴以外でも調整できる

シートを後方にスライドできないので窮屈で、目線も高い
シートスライドが前方だと、着座位置が高くなるシートレール構造のワナが!!


シートの傾きを比較。寝かせるとロールバーに干渉して後方にスライドできない。NDのシートレールの構造は、前方にスライドするときつい傾斜で着座位置が高くなる。そもそもシートが前過ぎて窮屈。






ロールバー高とヘルメットとの距離




座面クッションあり  +13mm


座面クッションなし ±0mm

<TEST4>前方シート調整穴は上でtest2と3の中間の寝かせ方

ブリッドのシートレールの前後に3つある穴は15mm 間隔となっている。シートの傾きと目線の高さで印象はまるで変わることもわかった


<TEST4>


最後はVIOS Ⅲのシート前方の穴が上で、シートレール前方の穴は一番上を選択してみた。これで、本来の前後スライド位置(一番後方から1 ノッチ戻し)でしっくりときた。ロールバーよりもヘルメットが下方に収まった。シートの形状だけでなく、レール構造やポジション調整の手法などタメになる実験だった。






ロールバー高とヘルメットとの距離




座面クッションあり  +7mm座面クッションなし −3mm


座面クッションなし −3mm

■取材協力 ブリッド TEL052-689-2611  https://bride-jp.com/
情報提供元: MotorFan
記事名:「 マツダ・ロードスターNR-Aでテスト。ヘルメットとロールバーの干渉を、シート選びとポジション調整で解決する