■JNC


シリンダー配列 V型6気筒


排気量 3492cc


内径×行程 91.0×89.5mm


圧縮比 10.0


最高出力 373kW/6500-7500rpm


最大トルク 550Nm/2000-6000rpm


給気方式 ターボチャージャー


カム配置 DOHC


ブロック材 アルミ合金


吸気弁/排気弁数 2/2


バルブ駆動方式 スイングアーム


燃料噴射方式 DI+PFI


VVT/VVL In-Ex/×

 新NSX専用のハイブリッドエンジン。3.5ℓV6というフォーマットは同じながらレジェンドに搭載されるJNB型とは関連性はない、新規開発縦置き専用。バンク角は一般的な60度と90度の中間的な75度。高出力の少量生産エンジンらしく、シリンダーは砂型鋳造によるクローズドデッキで、オイルパンはドライサンプ型。ボア壁面はプラズマアーク溶射を施す。ライナーレスでボア径φ91.0mmにもかかわらずボアピッチが102.0mmと大きめなのは、剛性確保のためか。




 バルブトレーンに可変リフトは用意されず、スイングアームがスリッパー式と、ホンダのスポーツユニットとしては異質な細部特徴を持つ。燃料供給はDIとPFIの併用で、ツインターボの最大過給圧は105kPa。先代(C30・C32)から引き継がれたエンジンのバランス調整は、部品の選択組み付けから一歩進んで、完成後のエンジンをフライホイールやクランクプーリー締結ボルト設定で実施する。

直噴はノッキングに厳しい低中回転領域に使用を限定し、常用域での燃焼制御の精度を高める方向。高負荷領域での燃料追加増量にも直噴は加勢する。インジェクターはサイド配置。

吸気経路にバルブを配した「インテークサウンドコントロール」、サイレンサーには「アクティブエキゾーストバルブ」を設置。通過騒音規制を見越してスポーツカーの商品性を高める昨今の常套手段。

Vバンク角は75度というイレギュラーな設定。搭載性を担保しつつ、吸気レイアウトに余裕を持たせ、低重心化を図る観点から設定された。重心高はドライサンプによっても低くなっている。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 NSXのための75度バンク専用設計V6エンジン──JNC