遠隔操縦無人機の大手企業である米ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社(GA-ASI)は、2018年6月20日(水)、国内初となる大型遠隔操縦無人機「ガーディアン」を使用した大規模なデモフライトを完了したことを発表した。本デモフライトは、5月10日(木)から24日(木) にかけて、遠隔操縦無人機の民間および科学研究分野での利用を促進することを目的として行われたもの。

 ガーディアンは20時間を超える航続能力を持ち、2008年以来、アメリカ合衆国税関・国境警備局での運用実績がある。実証試験は長崎県・壱岐空港を運航拠点として行われ、デモフライトから次のようなガーディアンの能力が実証された。




●普賢岳の火山活動と壱岐での小規模な山火事の観測を行い、災害時の人道支援・救助への対応が可能であること


●排他的経済水域(EEZ)における過剰漁獲による環境への影響を巡視すること


●巡回中の水産庁に監視活動を提供できること


●日本の空域での安全な運航にGA-ASIの衝突回避システムが有用であること


●SeaVueレーダーの自動船舶識別装置(AIS)の能力を確認し、海賊船や違法漁業への対策として海上での迅速な船舶確認が可能であること




 これは民間企業では国内初となる、長距離航続が可能な遠隔操縦無人機の実証試験だった。航空機のセンサーには、長距離用海上探索レーダー、自動補正光学赤外線ビデオカメラ、短距離空対空レーダーを含む衝突回避システムなどがある。




 デモフライトは壱岐空港の職員と関係当局との協力のもとに行われた。ガーディアンによって収集されたセンサーデータは科学研究機関に提供し、飛行データは国際民間空域での遠隔操縦無人機の飛行許可制度の確立を支援するために、関係機関に提供する。




 デモフライトの運航に際しては、GA-ASI本社より、飛行実績において経験豊富なパイロット、センサーオペレーター、整備担当者を含むチームが来日し、あらゆる状況を鑑みて安全運航を行った。本実証試験の主体はGA-ASIで、資金および使用された機器はGA-ASIが提供した。




 デモフライトの終了にあたり、GA-ASI最高経営責任者のリンデン・ブルー氏は次のように述べている。「壱岐市長をはじめ関係者の皆様のご協力に感謝申し上げます。日本の海洋環境における長滞空型遠隔操縦無人機の飛行は貴重な情報をもたらしたと考えており、デモフライトから収集した貴重なデータを確認する作業を開始します」

情報提供元: MotorFan
記事名:「 GA-ASI:国内初となる大型遠隔操縦無人機「ガーディアン」のデモフライトを成功