ブリヂストンは、ゴムと樹脂を分子レベルで結びつけた世界初となるポリマーの開発に成功。一般的な合成ゴムより耐破壊特性が高い天然ゴムと比較して、耐亀裂性が5倍以上、耐摩耗性2.5倍以上、引張強度が1.5倍以上という画期的な性能を発揮する。

開発に成功し発表された世界初のポリマー”High Strength Rubber”

向かって左がHSR、右が生ゴムで作成した輪ゴム。未加硫では本来右のようにゴムはもろいが、HSRは分子間結合が強く引張強度も遥かに高い

 今回開発した「High Strength Rubber(以下、HSR)」は、ブタジエンやイソプレンなどの合成ゴム成分とエチレンなどの樹脂成分を、ブリヂストン独自の改良型Gd(ガドリニウム)触媒を用いて分子レベルで結びつける(共重合)ことによって開発したハイブリッド材料。この材料はゴムのしなやかさと樹脂の強靭さを兼ね備えた次世代材料であり、ブリヂストンが2016年12月に発表した新規ポリイソプレンゴムの合成に用いたGd触媒技術を更に進歩させた成果生まれた。


 HSRは天然ゴムを凌駕する強度と耐摩耗性を有することから、例えばタイヤの次世代材料として有望であり、より少ない材料使用量でタイヤに求められる様々な性能を達成できる可能性がある。これによりブリヂストンが2050年を見据えた環境長期目標として掲げる「100%サステナブルマテリアル化」の達成にも大きく貢献できるとし、またタイヤ以外の製品へのHSR適用についても積極的に検討を進めていくという。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 夢が広がる世界初の超強靭ポリマー! ブリヂストンの次世代材料