4輪旧車のチューニングではやはり時代背景のマッチングの良いSOLEXやWEBERなどのキャブレターの装着が現在でも大多数を占めるが、いくつかのショップやメーカーからキャブピッチのスロットルがリリースされていることや社外フルコンの低価格化が進んだことも有り、徐々に日常使いがイージーなインジェクション仕様のチューニングエンジンも見掛けるようになってきた。そんな状況に、「真打ち登場!」といった具合に「SOLEX」のミクニが意欲的な試作を発表したのである。

このプロジェクトの主要メンバーの3人。左からマーケティング本部の待島さん、事業開発部の二梃木さん、マーケティング本部の金原さん。3人共に若い頃から2輪4輪のチューニングやレースが好きだったという“趣味人”で、特に最年長の待島さんは車高短のハコスカに乗っていたことがあり、ミクニに入った頃はSOLEXの製造&販売に関わっていたそうで、旧車とキャブの関わりには精通している。こんなメンバーが進めているプロジェクトなのだから、きっと面白い製品に仕上がることだろう

このスロットルキットのプロジェクトの根本には、創業初期のミクニの発展を支え、今でも根強い人気を誇る「SOLEX」キャブレターへのオマージュとして、新たに企画した製品を世の中に発信したい、というビジョンがあるという。




ミクニでは、2輪のアフターマーケットパーツとしては、高性能キャブレターの「TMR」などいくつかの製品を販売しているが、4輪の製品は、それこそ「SOLEX」以降しばらくは出していなかった。しかし今は空前の旧車ブームである。しかもミクニは2023年に100周年を迎えるとあって、会社の歴史を見直そうという動きが出ている時期のため、「これは好機!」と、社内の旧車好きのメンバーが立ち上がり、このプロジェクトを実行に移したという。

これがベースになった2輪用大口径スロットルボディの「EHS46R」。2輪の1300ccクラスのチューニングエンジン用に設計されたものだが、ボアピッチと口径がちょうど良いということで今回のプロジェクトに採用されることとなった。量産品独特の雰囲気が旧車に合いそうだ

実はこのキット、2輪用のスロットルボディ「EHS46R」がベースになっている。このスロットルボディは2輪の4気筒・高性能エンジン用としてアフターマーケット向けに開発されたものだが、その後2気筒用の仕様を製作。それがSOLEXなどの4輪用キャブレターのピッチとほぼ同じだったため、このプロジェクトの素材として採用されることになり、販売に向けたプランが現実的になったという。




現在このL型エンジン用スロットルキットは「販売検討用の試作モデル」という段階だが、「市場の反響が大きければ、販売実現に向けて大きく前進できます!」と力強い言葉を聞くことが出来たので、これを見て気になったという人は、ミクニに問い合わせしてラブコールを送って欲しい。


<問い合わせ先:株式会社ミクニ・マーケティング本部 e-mail:after-market@mikuni.co.jp>


次回はスロットルボディの細部を紹介します。


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情報提供元: MotorFan
記事名:「 「SOLEX」のミクニが試作した、L型チューニング・エンジン用の“スロットルキット”とは?<第2回>