後輪駆動のコンパクトな5ドアハッチバックという、稀有なキャラクターで人気を博しているルノー「トゥインゴ」。今回、200台の限定グレードだった「GT」がカタログモデルとして発売。まずはベースモデルとの違いから見ていこう。(PHOTO&REPORT:石川順一)

通常のトゥインゴとの違いでまず気づくのはサイドのデカール。まるで車体前方からの流れを可視化したようなデザインで走りへの期待を感じさせてくれる。

加えて、車体左側後方にはエアインテークが設置されている。もちろん、これは見かけだけではない。ちゃんとエンジンまでつながっており、吸気温度を12%低下させ、吸気効率を23%向上させている。これによりタービンの回転を上げることができ、エンジンの出力アップを可能としているのだ。



パワーアップしたエンジンは、荷室を圧迫することなく車体後方下に収まっている。こうしたレイアウトのためか、冷却にはかなり難儀しているようで、前述のエアインテークの他、フロントには3つのラジエーターを搭載。エンジン、タービン、エアコンのそれぞれに別々の冷却系統を備えている。

排気系も専用のデュアルエギゾーストマフラーを搭載。こうしたカスタマイズも相まって、ベースモデルのZENと比べると、最高出力38馬力アップ、最大トルク79Nmアップと、0.9リッターの小排気量ながらかなりの性能向上を果たしている。

目をひく17インチの大径ホイールはコンセプトカー「トゥインラン」から受け継いだもの。リムまで覆うスポークのデザインが大きさを強調している。

オレンジのアクセントが効いたインテリア

ドアを開けると、トリムにレザー調を使ったファブリックとのコンビシートが迎えてくれる。カラーリングやセンターのストライプも相まってかなりスポーティな印象だ。

ポップなカラーリングの他グレードと比べると、インパネ回りはかなり落ち着いたカラー。ところどころにあしらわれたオレンジとグレーがアクセントとなっており、高級感とレーシーなイメージの両立に成功している。

走りを支える専用の足周り

足周りもルノースポールによる専用設計。フロント、リヤともにスプリングとダンパーをチューニングし、40%剛性のアップを果たしている。スタビライザーも径を太くなったことで、コーナリング性能が向上しているという。




実際の試乗については次回の記事に譲るが、街乗りはもちろんのこと、かなり攻めた走りまで楽しめる。MT仕様だけでなくAT限定免許でも運転できるEDC仕様も選べるので、幅広い人が気軽に走りを堪能できる一台と言えそうだ。

■Specifications■


・全長×全幅×全高(mm):3,630×1,660×1,545


・エンジンタイプ:ターボチャージャー付直列3気筒DOHC12バルブ


・総排気量:0.897L


・最高出力(EEC):80kW(109ps*2)/5,750rpm


・最大トルク(EEC):170N・m(17.3kgm*2)/2,000rpm


・トランスミッション:5速MT/6速EDC(エフィシエント デュアル クラッチ)


・使用燃料:無鉛プレミアムガソリン


・燃料供給装置:電子制御式マルチポイントインジェクション


・エンジン型式:H4B


・タイヤ:前 185/45R17、後 205/40R17


・ブレーキ:前 ベンチレーテッドディスク、後 ドラム


・車両重量:1,010 kg(MT)/1,040kg(EDC)


・乗車定員:4人


・価格:MT 229万円 EDC 239万円

情報提供元: MotorFan
記事名:「 小さいけれど走りはワイルド! ルノー「トゥインゴGT」試乗 <Vol.1車体周り編>