今回のTAMXは世界有数のエアバッグ市場である米州の需要拡大に対応するために開設したものだ。TAMXが加わったことで、東レの強みである、全ての拠点から同品質のエアバッグ基布をタイムリーに供給できるグローバル生産体制を一層強固にするとともに、原糸から基布まで一貫して手掛けることによる開発力を活かした事業拡大を加速し、2020年にはエアバッグ基布で世界シェアナンバーワンを目指す。
東レグループは、中期経営課題“プロジェクトAP-G2019”において推進する基本戦略のひとつとして「グローバルな事業の拡大・高度化」を掲げ、成長国・地域での収益機会を取り込むことでグローバルに事業を拡大していくこととしている。自動車エアバッグ基布事業はその重点事業のひとつと位置付け、さらなる事業拡大を目指す。
開所式には、メキシコ連邦政府グアハルド経済大臣(代理出席:マサディエゴ通商局長)、メキシコ ハリスコ州サンドバル州知事、在メキシコ日本国大使館高瀬特命全権大使、伯耆田(ほうきだ)総領事など、約100名の出席があった。
<開所式での日覺社長ご挨拶要旨>
日時:2018年1月23日(火)13:30~14:45
場所:TAMX新工場内・式典会場
・東レグループは、「先端材料で世界のトップ企業を目指す」といった志のもとで、グローバルな事業拡大を推進している。メキシコについては、2014年のZoltek社の買収を以て本格的な進出を果たし、炭素繊維事業の拡大、樹脂事業の展開を行ってきた。そして、このTAMXの設立により、メキシコへの投資額は、進出以降300百万USD以上の規模となる。
・TAMX社は、世界有数のエアバッグ基布市場である米州に原糸・基布の一貫生産体制を構築し、旺盛なエアバッグ基布需要の取り込みを図ることを目指して設置した。TAMX社が加わったことにより、東レグループ全体のエアバッグ用ナイロン繊維生産拠点は、日本・タイ・メキシコの3か所、エアバッグ基布の生産拠点は、日本・タイ・中国・チェコ・インド・メキシコの6か所となった。これにより、原糸から基布までアジア、欧州、米州の世界の全て地域をカバーするグローバルな一貫生産体制が完成したことになる。
・当社のエアバッグ事業の強みは、世界の全ての生産拠点から同品質のエアバッグ基布をタイムリーに供給できるグローバル生産体制と、原糸から基布まで一貫して手掛けることによる開発力である。これらを活かした事業拡大を加速し、エアバッグ基布で世界シェアナンバーワンを目指す。
・TAMX社設立をはじめ、東レグループのメキシコでの事業拡大に関しては、メキシコ政府、ハリスコ州、エルサルト市の大きなバックアップがあってこそであり、お礼を申し上げたい。そして今後の事業拡大継続に関するご支援に関して、改めてお願いをしたい。
・東レグループの海外事業展開は、「長期的視点で、その国の産業振興、雇用拡大、輸出拡大、技術水準の向上に寄与すること」を基本方針としている。メキシコの素材産業の発展は、同国の産業構造の高度化に大きな意義があるものと認識している。今後とも、我々はメキシコでの事業拡大を進め、地域社会に貢献していく。