12月1日に発売開始となったカワサキZ900RSと、そのベースとなったZ900(2017年)。フレームやエンジンといった基本構成は共通ながらも、走りは随分と違った味付けになっている。(REPORT:北秀昭)

2017年東京モーターショーでセンセーショナルなデビューを果たしたカワサキZ900RS。カワサキブランドを世界中に轟かせたZ1をモチーフにしたデザインで、Z1の発売当時を知るシニア世代から「Z1=超お宝バイク」として認識する若者まで、世代を問わずに幅広く注目を集めている。

フレームはともに共通だが……

Z900RSのシャーシの基本骨格は、2017年モデルのZ900とほぼ共通。ただしZ1のスタイルを再現するため、スチール製トラスフレームの構造の一部やブレーキ周りに加え、マフラーやホイールのデザインを大幅に変更。また往年のスタイルを彷彿させるLED単眼のフロントマスクやフューエルタンク、テールカウルなどの外装パーツはすべて新設計。


フロントは正立型フォークではなく倒立型、リヤサスペンションはツイン式ショックではなく、マス集中効果を狙ったホリゾンタルバックリンク式リヤショックを採用するなど、現代のテクノロジーに相応しいハイスペックな足周りにアレンジされているのもポイントだ。

低中速域でのパワー特性に注目

Z900RSのエンジンは、2017年モデルのZ900用をベースにした水冷並列4気筒DOHC4バルブ948cc。最高出力111ps/8,500rpm、最大トルク10.0kgf・m/6,500rpmを発生するこのエンジンは、空冷風のシリンダーフィンやZ1タイプのクランクケースカバーなど、エンジンの造形にもメーカーの強いこだわりが伺える。

Z900用とは異なった特性や乗り味にアレンジZ900RSのエンジンユニット。上記のパワー&トルクグラフを見てもお分かりの通り、Z900RSは低中速寄りに最適化されているのが大きな特徴。スタート時のレスポンスは極めて鋭く、低中速域からモリモリとトルクが発生。高速道路や幹線道路はもちろん、ストップ&ゴーを繰り返す一般公道でもスムーズな走りが楽しめる。




スタイルや走りだけでなく、4-2-1の集合管が奏でる4発ならではのエキゾーストノートもカワサキのこだわりどころ。Z900RSはユーザーの所有感をとことん満足させる1台に仕上がっている。

■Z900RS 諸元■


・全長×全幅×全高:2,100mm×865mm×1,150mm


・軸間距離:1,470mm


・最低地上高:130mm


・シート高:800mm


・キャスター/トレール:25.0°/98mm


・エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ


・総排気量:948cc


・内径×行程/圧縮比:73.4mm×56.0mm/10.8:1


・最高出力:82kW(111PS)/8,500rpm


・最大トルク:98N・m(10.0kgf・m)/6,500rpm


・始動方式:セルフスターター


・点火方式:トランジスタ点火


・エンジンオイル容量:4.2L


・燃料供給方式:フューエルインジェクション


・トランスミッション形式:常噛6段リターン


・クラッチ形式:湿式多板


・フレーム形式:ダイヤモンド


・懸架方式:前テレスコピック(インナーチューブ径 41mm)/後スイングアーム


・タイヤサイズ:前120/70-17/後180/55-17


・ホイールサイズ:前17M/C×MT3.50/後17M/C×MT5.50


・ブレーキ形式:前デュアルディスク300mm(外径)/後シングルディスク250mm(外径)


・ステアリングアングル (左/右):35°/ 35°


・ 車両重量:215kg


・使用燃料:無鉛プレミアムガソリン


・燃料タンク容量:17L


・乗車定員:2名


・ 燃料消費率(km/L):28.5km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)/20.0㎞/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)


・最小回転半径:2.9m


・メーカー希望小売価格:(キャンディトーンブラウン×キャンディトーンオレンジ)1,328,400円/(メタリックスパークブラック)1,296,000円
情報提供元: MotorFan
記事名:「 走りの実力は同じ? 別モノ? 話題のバイク、カワサキ「Z900RS」と2017年「Z900」