デビューから間もなく10年と、プラドシリーズの中で最長記録更新中の150系は、先々代90系から受け継ぐラウンドボディを有する。

が、先代120系比で全長こそ10㎝延長しているものの、幅はほぼ同格、高さは2㎝低いなど、サイズ感は大きく変わらない。


しかし、マイナーチェンジごとに大胆さと高級感が増しており、120系まではランクルの弟分という印象が強かったものの、150、とくに中期以降はランクルと肩を張れるほどの貫禄があると、評価は高い。


プラットフォームは、120系を継承しているが、ラダーフレーム、トルセンLSDセンターデフの採用、フロント独立、リア車軸の足まわり(一部グレードのリアはエアサス)等、熟成を極める進化を実施。


さらに、オン&オフロードのスタビリティをあげるKDSS、悪路でステアリング操作に集中できるクロールコントロールのほか、トヨタ初となるオフロードでの駆動制御機能マルチテレインセレクト、世界初となる4つのカメラで周囲の状況を適時把握できるマルチテレインモニター等を搭載。


とくに後者2つは、当時はランクル200にも採用されていない機能であるなど、弟子の師匠越えが起こった。


エンジンは2.7L/直4と、4L/V6で発売。ユニット自体はキャリーオーバーだが、チューニングが変わっており、低燃費化と高出力化を促進。V6はハイオクからレギュラーへと変わった。ディーゼルはデビュー当初こそなかったが、中期移行後の2015年に日本市場初搭載となる2.8L/直4ユニットで復活。同時にV6が廃止され現在に至る。


日本市場は5ドアのみ。カスタマイズ人気はクロカン随一といわれ、本家ランクル200をしのぐ。ドレスアップパーツも豊富に選べるベースカーだ。



燃費的には不利となるものの、悪路を走破させる堅牢なボディはラダーフレームあってこそ。初代から続くブレない特徴の1つ。


150変遷史


前期2009.9〜2013.9


V6/4.0Lガソリン 直4/2.7Lガソリン



中期2013.9〜2017.9


V6/4.0Lガソリン 直4/2.7Lガソリン



2015.6


V6廃止、ディーゼルの復活(直4/2.8L)


後期2017.9〜現在


直4/2.8Lディーゼル 直4/2.7Lガソリン



ENGINE


エンジンは全3タイプ注目は復活のディーゼル




①直4/2.7Lガソリン前期〜現行



②V6/4.0Lガソリン前期〜中期



③直4/2.8Lディーゼル中期〜現行


時期により選択肢が異なるものの、エンジンは①直4/2.7L ガソリン、②V6/4.0Lガソリン、③直4/2.8Lディーゼル。前期と中期の途中までは①と②、それ以降は①と③が選べる。注目は③の約7年ぶりに復活したディーゼル。太いトルクは2t 越えの重量ボディに大きなゆとりをもたらす。ミッションは中期途中まで4AT(直4)と5AT(V6)だったが、中期途中から全車一律6ATとなった。


MECHANISM1


トヨタ車初


状況にあわせ悪路走破マルチテレインセレクト



data-image-meta="{"aperture":"0","credit":"","camera":"","caption":"","created_timestamp":"0","copyright":"","focal_length":"0","iso":"0","shutter_speed":"0","title":"","orientation":"0"}"
data-image-title="111837" data-image-description="MUD&SAND" src="https://dressup-navi.net/wp-content/uploads/2019/11/SWDRNV_SRV137_P79_05.jpg" alt="「大きく変わってます! 誕生から約10年・熟成極まるハイテク満載の史上最長モデル|150系 プラド ヒストリー」の1枚めの画像"
class="alignnone size-full wp-image-111837"/>MUD&SAND



悪路走行時にありえるタイヤのスタックや駆動力不足をサポートする、5つのモードを用意。用途にあわせスロットルの特性やトラクションコントロールのブレーキ油圧などを最適化する選択機能が備わる。初登場時の前期からある機能で、当時トヨタ車で初採用。つまり兄貴分のランクルにもない機能が付く。前期では4モードが中期から5モードへ増えている。


MECHANISM2


周囲の状況が判る安心マルチテレインモニター


世界初




ボディに備わる4つのカメラ映像を駆使し、車両周囲の状況を把握できる新機能。死角になりやすい6エリアを、スイッチの切り替えで表示できる。これも登場時、本家ランクルにはなかった機能。これが装備されると、助手席フェンダーミラー前に本来ある補助ミラーが排除されるため、見た目もスッキリ。


カメラ視野のイメージ図



SEAT


乗員優先の3列7人乗り

積載優先の2列5人乗り


シートは3列7人乗り、2列5人乗りから選べる。7人乗りのセカンドシートには135㎜のスライドが備わる。2&3列でのフルフラット化も可能で、空間の利便性も高い(2列と3列ではフラットの仕方が違う)。同じ3列車でもグレードによりサードシートの形状が違う。一部グレードで内蔵されるサイドステップ照明は150になってから。



data-image-meta="{"aperture":"0","credit":"","camera":"","caption":"","created_timestamp":"0","copyright":"","focal_length":"0","iso":"0","shutter_speed":"0","title":"","orientation":"0"}"
data-image-title="111844" data-image-description="3列7人乗り" src="https://dressup-navi.net/wp-content/uploads/2019/11/SWDRNV_SRV137_P79_12.jpg" alt="「大きく変わってます! 誕生から約10年・熟成極まるハイテク満載の史上最長モデル|150系 プラド ヒストリー」の1枚めの画像"
class="alignnone size-full wp-image-111844"/>3列7人乗り



SAFTY


先進安全装備


150系からは安全性も上がり、グリルTマークエンブレム内にミリ波レーダーを搭載できるオプションが登場。衝突の可能性を判断すると警告のほかブレーキを掛ける。後期からは先進安全装備「トヨタセーフティセンス(TSS)」が全車標準装備に。グリルレーダーに加え、フロントガラスの小型カメラで安全を確保。車線逸脱やオートマハイビーム、レーダークルコン(設定可能速度領域/時速50㎞以上)などが備わる。


TSS 全車標準



INTERIOR


上質感向上だけでなく、じつは室内幅も増した


120系比で外装全幅の拡大は僅か1㎝だが、内装全幅では3㎝ワイドに。120系以上に高級路線が強まり、センターパネルやステアリングが前中期と後期では大きく異なる。間接照明色も後期からアンバー→ホワイトへ変更。1列目シートに、蒸れを防ぐ送風ベンチ機能が付くようになったのも後期から。150系からエンジンスタートがボタン式となった。



POWER 3rd SEAT


3列目は電動でシートが格納する


上級グレード限定となる電動格納3列目シートは、スイッチだけでフラットにしまえる便利機能を搭載している。復帰時、ヘッドレストのお越し作業のみ手動だが、それ以外の格納・復帰はすべて電動だ。



わかりますか? 前中後期の違い


いまさら聞けない前・中・後期の見分け方


FRONT FACE




前期



中期



後期


TAIL LENZ




前期



中期



後期


REAR SECTION




前期



中期



後期


スタイルRV VOL.137 ランドクルーザープラドNo.2より



[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]



情報提供元: ドレナビ
記事名:「 大きく変わってます! 誕生から約10年・熟成極まるハイテク満載の史上最長モデル|150系 プラド ヒストリー