ゴルフで使うクラブにはさまざまな種類がありますが、その中で「スプーン」と呼ばれているのが3番ウッドです。いつの間にかスプーンと呼ぶようになった人も多いでしょうし、初心者なら「どうしてスプーンと呼ぶんだろう」と疑問に思っている人もいるでしょう。

そこで今回は、ゴルフのスプーンの由来や、効果的な使い方、スプーンの打ち方のコツや選び方について解説します。14本あるクラブの中でも難しいといわれるスプーンの効果的な使い方をマスターして、スコアアップを目指しましょう。


ゴルフのスプーン(3番ウッド)の由来

ゴルフのスプーンの由来は、食卓に並ぶスプーンです。諸説あるのですが、昔は3番ウッドの形状が食事で使うスプーンと似ていたため、このように呼ばれるようになったといわれています。

■ゴルフクラブには愛称がある
3番ウッドをスプーン、1番ウッドをドライバーと呼ぶように、実はゴルフクラブにはそれぞれ愛称があります。あまり聞かないものもありますが、各クラブの愛称を紹介しますので、豆知識として覚えておくと役立つことがあるかもしれません。

1番ウッド:ドライバー(Driver)
2番ウッド:ブラッシー(Brassie)
3番ウッド:スプーン(Spoon)
4番ウッド:バフィ(Baffy)
5番ウッド:クリーク(Cleek)
1番アイアン:ドライビングアイアン(Driving Iron)
2番アイアン:ミッドアイアン(Mid Iron)
3番アイアン:ミッドマッシー(Mid mashie)
4番アイアン:マッシーアイアン(Mashie Iron)
5番アイアン:マッシー(Mashie)
6番アイアン:スペードマッシー(Spade Mashie)
7番アイアン:マッシーニブリック(Mashie Niblic)
8番アイアン:ロフター(Lofter)
9番アイアン:ニブリック(Niblic)


スプーンの効果的な使い方

スプーンは難しいクラブとして知られているので、使っていないという人も多いかもしれません。ただ、うまく使いこなせば、スコアアップにつながる可能性は十分にあります。どのようにスプーンを使えば効果的なのか知っておきましょう。

■狭いホールで曲げたくないとき
狭いホールでOBが出そうなときにスプーンを使うのは効果的です。ドライバーは最も飛距離が出るクラブですが、ボールが曲がりやすいという特徴もあります。そんなときにスプーンを使えば、ボールをコントロールして狙った場所に打てる可能性が高くなるのです。

アマチュアゴルファーの場合、スプーンの平均飛距離は約190ヤードといわれていますから、ドライバーの代わりとしてティーショットで十分活躍します。

■ドライバーだと飛びすぎてしまうとき
ホールによってはドライバーで思い切り打ってしまうと飛びすぎてしまうということもあるでしょう。いいスコアを出すためには、ただ飛距離を稼ぐのではなく、その後のショットを計算しながら、ティーショットを打たなければなりません。ドライバーでは飛びすぎてしまうときのティーショットにスプーンを使えば、コースマネジメントがしやすくなります。

■飛距離を稼ぎたいとき
ロングホールやミドルホールで距離を稼ぎたいときにもスプーンを使うのは効果的です。特に、ロングホールで2オンを狙いたいときは、ユーティリティやロングアイアンよりも飛ぶスプーンが活躍します。ただ、スプーンで芝の上から打つのは難しいので、ライを確認していいライであれば使うようにしましょう。


スプーンが難しい理由

まだスプーンを使ったことがない人でも、スプーンが難しいクラブというのは聞いたことがあるかもしれません。またスプーンが難しいクラブだと知って、バッグから抜いている人もいるでしょう。スプーンが難しい理由を解説します。

■ヘッドスピードが必要
スプーンを使って思い通りのショットを打つためには、ドライバーのヘッドスピードが43〜45m/sくらい出ているのが理想的といわれています。アマチュアゴルファーのドライバーの平均的なヘッドスピードは40m/sのため、スプーンを使っても番手通りの飛距離が出せず、苦戦してしまう人が多いようです。

スプーンはボールが上がらずライナー弾道が出やすいクラブですが、ヘッドスピードが足りていないと飛距離を出す前にボールが落ちてしまいます。

■シャフトが長い
スプーンはドライバーの次にシャフトが長いクラブです。ティーショットであれば、ドライバーを使うときと同じようにティーアップしてショットが打てます。しかし、フェアウェイやラフで使うときは、シャフトの長さのせいで振り遅れてしまい、ミスを誘発してしまう可能性があるのです。

■フェースが薄い
シャフトはドライバーよりも短いですが、スプーンのフェースはドライバーよりも薄くなっています。そのため、フェースでボールの芯を捉えるのも難しいです。芯を捉えられないと、飛距離が出なかったり、ミスにつながったりしますから、スプーンを使うのは難しいと考えられています。

ミート率が上がれば、アマチュアゴルファーのドライバーの平均的なヘッドスピードである40m/sくらいでもスプーンが使いこなせるようになるでしょう。

■ロフトが立っている
スプーンはパターやドライバーについで、ロフトが立っているクラブで、最も多いスプーンのロフト角は15度です。ロフトが立っているクラブはボールが上がりづらくなるため、パワーが足りないと飛距離が出せません。

ライナーの弾道は出しやすいですが、高さのあるショットはなかなか打てないと考えておく必要があります。スプーンの中にもロフトが寝ているモデルもありますから、高さを出したいならロフトが寝ているものを選ぶといいでしょう。


スプーンの打ち方のコツ

難しいといわれているスプーンですが、使いこなせればコースマネジメントが改善され、スコアアップする可能性は十分にあります。打ち方のコツを覚えて、スプーンが使いこなせるようになりましょう。

■ボールを置く位置を変える
ここでは右利きの場合について説明します。スプーンを使うときは、ドライバーでボールを置く位置よりも右足寄りにボールを置きます。

スプーンで芝の上から打つときは、左足のかかとの直線上からボール0.5〜2個分程度右にボールを置きましょう。ボール0.5〜2個分というとかなりの差がありますが、ベストな位置は人によって異なります。これくらいの位置で調整しながら打ってみて、自分のベストな位置を見極めましょう。

ティーショットの場合は、かかとの直線上か、少し右くらいの位置に置きましょう。ボール1/4くらいがヘッドから出るくらいの高さでティーアップすると、芯を捉えたショットが打ちやすいです。

■スイングの弧を意識する
シャフトの長いスプーンをうまく使いこなすには、ボールへの入射角度を緩やかにするために、スイングの孤を大きくする必要があります。ユーティリティよりも大きく弧を描くことを意識してスイングしてみましょう。

■ハンドファーストで構える
アドレス時にグリップがクラブヘッドよりもターゲット寄りになるのがハンドファーストです。ハンドファーストで構えると、ボールの芯を捉えたショットが打ちやすくなります。右利きの場合、ボールを右寄りに置いた上で、両手が左太ももの内側あたりに来るように構えてみましょう。

■グリップを短めに持つ
シャフトが長いスプーンを使うと、ボールの芯を捉えることに苦戦しやすいです。ミート率を上げるためには、グリップの真ん中あたりを持つようにしましょう。感覚的にシャフトが短くなるので、コンパクトなスイングができ、しっかりボールを捉えたショットが打てます。

スライスが出やすい場合も、グリップを短くすることで防げる可能性があるので試してみてください。

■慣れるまでフルスイングしない
距離を出そうと思うとフルスイングしてしまいがちですが、フェースが薄いスプーンはボールの芯を捉えるのが非常に難しいです。確実にスプーンでボールの芯を捉えるためには、フルスイングせず、確実にミートしていく意識を持つことが大切。最初は飛距離が出ないとしても、6〜7割程度の力に抑えて確実にスイートスポットに当てられるように練習します。ミート率が上がってきたら、徐々にフルスイングに近づけながら打ってみてください。


スプーンの選び方

スプーンを選ぶときは、これから紹介するポイントを押さえておきましょう。

■クラブの重さ
クラブの重さが重ければ重いほど、ボールの飛距離が伸びます。飛距離を稼ぐことを目的としてスプーンをセッティングに入れようと考えている人は、クラブの重さを重視してみましょう。もちろん問題なく振り切れる重さであることは前提条件です。自分の筋力やヘッドスピードを考慮して選んでみてください。

■ロフト角
スプーンの一般的なロフト角は15度ですが、中には13度のものもあれば17度のものもあります。スプーンでもボールをできるだけ上げて打ちたいなら、ロフト角が大きいものを選びましょう。

■ヘッドが大きいものを選ぶ
ドライバーよりもフェースが薄いスプーンは、ボールをうまく捉えられるようになるまで苦戦してしまう人が多いです。スプーンを選ぶときは、ヘッドの大きいものを選べば、その分フェースも大きくなりますので、ボールが捉えやすくなります。

大きなヘッドのスプーンなら、ボールもコントロールしやすいです。ただ、ボールが上がりやすいのはヘッドが小さなスプーンなので、その点も考慮してみてください。


ゴルフのスプーンを使いこなしてレベルアップを図ろう

スプーンは難しいクラブといわれていますから、避けている人も多いかもしれません。ただ、難しいクラブだからこそ使いこなせるようになれば、ゴルフが上達する可能性は高いです。自分に合ったスプーンを手に入れて、まずはボールの芯をうまく捉えたショットが打てるように練習してみましょう。

スプーンがうまく打てるようになればロングホールで2オンが狙える可能性も高いです。スプーンの練習をしたら、実際にコースで打ってみましょう。ゴルフコースに出るときは、tenki.jpの全国のゴルフ場の天気で天気予報をチェックするのがおすすめ。降水確率や風速も1時間ごとに分かるので、日々のプレーにぜひ活用してみてください。

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 ゴルフのスプーン(3番ウッド)の由来は?効果的な使い方や打ち方のコツを紹介