いつもと違う今年の夏。夏休みは星空を眺めてみるのはいかがでしょうか。明け方には金星が美しく輝き、宵には土星、木星といったなじみある惑星が見頃をむかえています。

今回は、この夏に見ておきたい天体現象に加え、今からチェックしておきたい12月におこる土星と木星の「超大接近」についてご紹介します。


金星が「明けの明星」として帰ってきました

5月下旬まで「宵の明星」として西の空で輝いていた金星。太陽と地球の間に入って目にすることができない期間を経て、7月からは「明けの明星」として夜明け前の東の空に姿をあらわしました。金星が太陽から最も離れて「最大離隔」となる8月13日に向けて、日ごとに空高くのぼり美しい姿を見せてくれます。

明けの明星も宵の明星も金星の別称で、同時期に両方を見ることはできません。現在の明けの明星としての金星の姿は、2021年1月頃まで。その後、金星が地球から見て太陽の向こう側に位置するため見ることができなくなります。再び姿をあらわすのは2021年5月下旬頃。今度は宵の明星として西の空に輝きます。


早起きして眺めたい、金星と幻想的な月の共演

最大離隔に達する頃の金星は深夜1時頃にはすでに地平線上に姿を見せ、日の出1時間前には高度30度位まで上がっています。マイナス4.3等級の明るさなので、容易に発見することができるでしょう。

明け方にひときわ明るく輝く金星はそれだけで充分美しいのですが、8月16日には金星と月齢26の細い月が並んで見えます。明け方に幻想的な細い月と金星が並ぶ光景は、早起きして眺める価値あり。周りには早くも冬の星座たちが広がり、冬の大三角形を形成する明るい星々も見られます。

金星と細い月が並ぶ現象は、1か月に一度ほどの頻度でおこります。次回は9月14日です。


12月には、土星と木星の「超大接近」も控えています

肉眼でも見える明るい惑星、土星と木星も7~10月頃が観察シーズンです。土星は約0等級で色はクリーム色、夕方から南の空のやや低いところに姿をあらわします。「夜半の明星」と呼ばれる木星はマイナス2等級と土星よりも明るく、今シーズンは土星の右側に並んで見ることができます。

8月2日の夕方から3日の未明かけて、南東の空で土星のすぐ下に満月前の月齢13の月が接近します。土星の右には木星もあり、明るい3つの天体が集合する光景を見ることができます。9月からは10月6日に地球との最接近を控えた火星も見えやすくなり、3つの惑星観察が楽しめそうです。



すこし先のことですが、12月中旬から下旬には夕方から宵の西の低空で土星と木星が「超大接近」します。次に同程度の接近が起こるのは約60年後とのこと。なかでも12月22日3時頃におこる木星と土星の最接近は、占星術の世界では「グレート・コンジャンクション」と呼ばれ、時代の大きな転換期にあたると捉えられています。

日本では、最接近の時間帯には2つの惑星が地平線の下に隠れてしまいます。土星と木星が最も近付いた状態で観察できるのは、12月21日の日の入り後です。すでに世界が大きな変化の渦中にある今。ぜひこの機会に星空の一大イベントを、自分の目で観測したいですね。



参考サイト

アストロアーツ 金星

アストロアーツ 土星

国立天文台 木星と土星が接近

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 「明けの明星」が美しい時。土星や木星も見頃です!惑星観察を楽しもう