今日、10月27日は「テディベアズ・デー」。テディベアコレクターたちから広まった活動で、今では世界中で心の支えを必要とする人たちにテディベアを贈る運動が行われています。日本でも1997年から日本テディベア協会が実施しているそうです。さて、テディベアはどのように人々の心の支えとなっているのでしょうか。テディベアズ・デーの今日は、テディベアが世界で有名になったきっかけと、数年前に行われた筑波大学での「テディベアの癒し効果に関する研究」についてご紹介します。


テディベアの「テディ」は、元大統領の愛称だった!

テディベアズ・デーとされている今日は、アメリカの26代目の大統領セオドア・ルーズベルト氏の誕生日。まさに、ルーズベルト大統領のあるエピソードがきっかけとなって、テディベアは世の中に広まったのです。熊狩に出かけたルーズベルト大統領はある日、収穫を得ることなく狩りを終えようとしたところ、同行したハンターが瀕死の小熊を追い込み、止めの一発をルーズベルト大統領に託そうとしましたが、「瀕死の小熊を撃つのはスポーツマン精神に悖る。」と言って撃たず、そのことがワシントン・ポストで報じられました。この美談に触発されたモリス・ミットム氏がクマの縫いぐるみを製造するアイデアル社を立ち上げ、大統領の愛称であった「テディ」と名付けたのだそうです。またその時期と同じ頃、ドイツのシュタイフ社の熊の縫いぐるみが大量に輸入され、広まったことによって、テディベアの認知度は高まったのだそうです。テディとは、大統領の愛称だったのですね!


テディベアはどのように人の心を支えるのか?

「心の支えを必要とする人たちにテディベアを贈る運動」として始まったテディベアズ・デーですが、テディベアの癒し効果とはどのようなものか、その研究が筑波大学の人間総合学研究科(心身障害)の宮本信也教授・小畑文也准教授によって行われています。2007年4月、日本テディベア協会の協力によって入院中の小児患者にテディベアが配られ、教授らによって病棟における行動観察が行われました。当時のまとめ資料によると、テディベアは「玩具として」「友人として」「道具として」「愛着対象として」「欲求不満のはけ口として」彼らの行動に関わったとされており、彼らにとって心を補う役割を担ったように見受けられました。また、小学校高学年・中学生男子の間でも愛着対象としてテディベアと関わる様子が見られたそうです。そのことから、テディベアは小さな子供だけでなく思春期を迎える年齢層にも心の支えとなり、また、世界のコレクターには男女問わず年齢も関係なく存在することから、テディベアがあらゆる人々の心の支えになり得るということなのだとわかります。

さて、意識の有無に関わらず、人は何かに支えられ、または、支えとして心を保つそうです。身近な家族や恋人、友人のような個人的対象、会社や組織、学校や団体のような大きな場所。今回のテディベアのような物をそれとする場合。または、自分自身の過去の経験や信念などの内側にある記憶や意識がその支えになるケースもあるそうです。テディベアズ・デーの今日は、自分にとって心の支えがどんなものか、思い巡らせてみるのも良いのではないでしょうか。もちろん、素敵なテディベアを手にとってその象徴としてそばに置くのも良いですね。



【参考】

「テディベアの癒し効果に関する研究」(附属病院臨床研究倫理審査委員会承認済)

筑波大学 人間総合科学研究科(心身障害) 宮本信也教授・小畑文也准教授

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 「心の支え」はなんですか?今日はテディベアズ・デー