明日23日(火)から、今シーズン最強の寒気が流れ込む予想。北陸や近畿北部を中心に平地でも大雪に。寒波の後は寒さが和らぐため、雪解けによるなだれや屋根からの落雪などにご注意を。

●23日(火)~29日(月) 週前半 今季最強寒波が居座る

明日23日(火)から25日(木)頃にかけて、日本付近の上空約5500メートルにはマイナス40℃以下と、今シーズン一番の強い寒気が流れ込むでしょう。北海道の日本海側から九州北部の広い範囲で雪が降り、冬の嵐となりそうです。普段雪が少ない関東から西の太平洋側の平野部でも大雪となるおそれがあり、厳しい寒さでしょう。

大雪のピークは24日(水)で、特に降雪量が多くなるのが北陸と近畿北部です。日本海にはJPCZ※が顕在化し、発達した雪雲が次々と流れ込むでしょう。平地でも一気に積雪が増えて、大規模な車の立ち往生が発生する可能性があります。令和6年能登半島地震で損傷を受けた家屋では、積雪の重みによる倒壊にもご注意ください。

27日(土)には冬型の気圧配置が緩み、雪の降り方は落ち着きそうです。太平洋側は晴れて、強い風も収まるでしょう。関東から九州では、最高気温が10℃を超える所が多く、日差しの温もりを感じられそうです。

※「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」とは、シベリア大陸から流れ込む冷たい風が朝鮮半島北部に位置する長白山脈(最高峰:白頭山2744メートル)によって、いったん二分され、その風下である日本海で再び合流して形成される収束帯(雪雲が発達しやすいライン)です。

●30日(火)~2月4日(日) 雨でも気温は高い

30日(火)は北陸も天気が回復に向かい、広い範囲で晴れるでしょう。ただ、31日(水)は九州で雨が降りだし、2月1日(木)は、東海や北陸まで雨の範囲が広がりそうです。4日(日)にかけては全国的に雲が広がりやすく、西日本や東日本を中心に雨が降るでしょう。

北海道は冬の空気に覆われて、最高気温が0℃未満の真冬日の日もありそうです。ただ、沖縄や九州から東北は、最低気温・最高気温ともに平年より高い日がほとんどでしょう。暖かい空気が流れ込みやすく、雨でも気温が高くなりそうです。2月4日(日)は立春ですが、春のような暖かさは長く続かない時期。寒暖差で体調を崩さないよう、ご注意ください。

●急な雪解け 注意点は?

大雪のあと、寒さが和らぐことで心配されるのが、雪解けによる災害や事故です。積雪が多く残る所では、次の3つの点に注意が必要です。

①雪解けによって「全層なだれ」が発生しやすくなります。山に積もった雪が全て滑り落ちる現象で、気温の上昇や雨の後などに多く発生します。過去になだれが発生した斜面や積雪に亀裂が入っている所では、特に注意が必要です。

②気温の上昇によって積もった雪が滑り、「屋根からの落雪」が起こりやすくなります。軒先で作業する際は頭上の状況を確認するなど注意が必要です。また、除雪作業を行う場合は、命綱とヘルメットを装着し、できるだけ複数人で実施するなど、安全を確保するようにしてください。

③ 雪が多く積もった道路で、気温が上昇したり、雨が降ったりすると、「冠水」のおそれがあります。路肩に集められた雪によって排水が悪くなったり、雪の塊が排水溝を塞いだりしてしまうことがあるためです。大雪のあとの雨は、たとえ大雨でなくても、道路の冠水に十分ご注意ください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士