5日の東北地方は青森県を中心に猛烈な雨が降ったとみられます。大気の状態が非常に不安定で、雨雲の動きが遅く、狭い範囲で大雨が続く恐れがあります。午後9時頃にかけて土砂災害や低い土地の浸水などに厳重に警戒してください。台風4号から変わった低気圧は週末にかけて三陸沖を再発達しながら北上する見込みで、東北地方では影響が長引く恐れがあります。

●数年に一度しか降らないような大雨 降りやんでからも土砂災害などに警戒を

5日午後3時現在、台風4号から変わった低気圧は東北から離れた四国付近を東進中ですが、間接的な影響で東北ではあちらこちらで大雨になっています。元台風が運んだ熱帯由来の湿った空気が、上空の寒気に触れることで雨雲が急発達。上空の風が弱いので同じような場所で雨を降らせ、局地的な大雨になっています。
特に、青森県内では記録的短時間大雨情報が連発して1時間に約90mmと、数年に一度しか降らないような大雨が各所で降りました。
5日午後9時頃にかけて大気の非常に不安定な状態が続くため、局地的に1時間に50mmと滝のような雨が降る予想です。6日午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で、太平洋側100mm、日本海側80mmです。記録的な大雨になった地域では、雨が弱まってからも地盤の緩んだ状態が続きます。土砂災害や川の増水、低い土地の浸水などに厳重に警戒が必要です。
土砂災害の前兆には、斜面のひび割れ、異様な音やにおいなどがあります。土砂災害警戒区域など危険な場所にお住いの方は自治体からの避難情報を確認し、安全な場所で過ごすようにしてください。夜暗くなってから移動するのが難しい場合は、崖から離れた2階以上で過ごすなど、少しでも安全な場所で過ごすようにしましょう。

●6日は太平洋側で雨が降ったりやんだり 日本海側はフェーンで高温

あす6日は上空の寒気が東へ抜けるため、大気の不安定な状態は解消してきます。いわゆるゲリラ雷雨は起こりにくくなりますが、太平洋側は湿った空気が流れ込むため、宮城・福島県を中心に、岩手~青森県の太平洋沿岸でも雨が降ったりやんだりするでしょう。
一方、風が山を越えて乾いた熱風となって吹き降りる日本海側は気温が上がり、秋田市では35度の予想です。ここまで上がるかは風向きなどにもよりますが、体にこたえる暑さになりそうです。同じような傾向が7日にかけて続く見込みです。太平洋側は雨具の準備、日本海側は熱中症に十分ご注意ください。
その後、週末は元台風の影響が再び大きくなりそうです。

●元台風は動き遅く 週末は三陸沖を北上

台風4号から変わった低気圧は、この先も動きが遅く、週末は三陸沖を北上する恐れがあります。
日本付近では元台風を押し流す偏西風が弱いうえ、高気圧に進路を阻まれて、三陸沖を北に進む予想です。
低気圧として再発達する傾向もあり、週末は東北太平洋側を中心に雨や風が強まるでしょう。
水辺が恋しい季節になりましたが、海も荒れる恐れがあります。今後の情報に注意してください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士