気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表。夏は平常の状態が続く可能性が高く、秋はエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度となっています。



●6月の実況


気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。6月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.3℃で基準値に近い値でした。太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部でおおむね平年並みでした。海洋表層の水温は西部から東部のほぼ全域で平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は月の中頃を中心に平年より弱い時期がありました。このような海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっていることを示しています。


●今後の見通し


夏の間、太平洋赤道域の中部から東部で東風が平年並みか平年よりやや強いと考えられます。このため、海洋表層の暖水の東進が妨げられ、東部の海面水温の上昇が抑えられると考えられます。エルニーニョ予測モデルは、夏は基準値に近い値で推移し、秋は基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測しています。以上のことから、今後、夏は平常の状態が続く可能性が高く(70%)、秋はエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度となっています(50%)。


●西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況


西太平洋熱帯域: 6月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後、夏から秋にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。

インド洋熱帯域: 6月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後、夏から秋にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。


情報提供元: tenki.jp日直予報士