ドジャース対マーリン 1回裏ドジャース1死、四球を選ぶ大谷(撮影・菅敏)

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)7日(日本時間8日)=斎藤庸裕】“野球の神様”を継承するドジャース大谷翔平投手(29)が、相手バッテリーへのプレッシャーから満塁弾につなげた。マーリンズ戦に「2番DH」で出場し、2打数無安打。初の4戦連発はならなかったが、第1打席で四球から出塁。その後、連続四死球から5番マンシーのグランドスラムで逆転した。大谷は1得点で今季32得点とし、リーグトップタイに浮上。現時点で打撃10冠となった。

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大谷はマ軍の先発カブレラのスキを狙っていた。1死一塁、3番フリーマンの打席。2度目のけん制球で一瞬逆をつかれた。フルカウントからの10球目でスタート。結局、死球で進塁となった。投球リズムを変えて走らせない工夫をしていたカブレラは「そこまで気にしなかった。ほぼ(投球フォームの)タイミングを考えていた」と話したが、大谷の俊足に揺さぶられていたのは明らかだった。

一方の大谷はカブレラの注意を引いた。目に見えないプレッシャーをかけながら球数を投げさせ、3番フリーマン、4番スミスの連続四死球で満塁とした。上腕二頭筋の違和感があったとはいえ、初回から疲弊したカブレラに、もはやマンシーを抑える術はなかった。敵将のシューメーカー監督は「彼らはいいボールを打ち砕き、ボール球は振らず、四球を得る。カウントが悪くなればベッツ、大谷、フリーマン、スミス、打線全体が危険になる」と、つなぐ意識に脱帽だった。

大谷は今季ここまで9盗塁。成功率は100%だ。オフから走塁改革に取り組み、足を生かすことが打者大谷の大きなテーマの1つでもある。この日の試合前、ロバーツ監督は大谷の積極性について「まさに私が期待していた通りだ。彼は状態はいいと言っていたし、これからもっと走塁でアグレッシブになっていくと自信を持っている」と語った。長打だけではない。他球団にとってスピードも確実に脅威となっている。

大谷は今季32得点でナ・リーグトップタイに浮上。打撃10冠で、野球の神様ベーブ・ルースの継承者が、もはや「タイトルの神様」となっている。チームは最近15戦で13勝。ロバーツ監督は「いい野球をしている。どのチームが相手だろうと、勝つのはとても難しいこと。我々はただただ、完璧な野球をやっている」と目を細めた。大谷の足を絡め、つなぎと長打がかみ合ったド軍打線は、とてつもない破壊力がある。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 「タイトルの神様」大谷翔平が打撃10冠!無安打も塁上で揺さぶり、トップタイ32得点目