「歴史のまばたき」をテーマに、コロナ禍の新しい舞台芸術祭のあり方を追求

 
2021年12月1日(水)
                               
国際舞台芸術祭「東京芸術祭2021」閉幕
プランニングチームより閉幕コメントを発表
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「歴史のまばたき」をテーマに、コロナ禍の新しい舞台芸術祭のあり方を追求
91日間の会期に約24,000名が来場・参加 ※2
 
2021年9月1日(水)より91日間にわたり開催してきた「東京芸術祭 2021」が11月30日(火)に閉幕いたしました。コロナ禍2年目となる今年は、昨年以上の徹底した新型コロナウイルス感染症拡⼤防⽌に取り組み、コロナ禍の新しい舞台芸術祭のあり方を追求しました。

「歴史のまばたき」をテーマに、演劇やダンス、アートプロジェクト、映像配信や人材育成事業など、全36のプログラムを実施し、来場・参加者数約24,000名、オンラインプログラム約6,000リーチ※1と、たくさんの方にお楽しみいただきました※2。

総合ディレクター宮城聰氏(演出家/SPAC 静岡県 舞台芸術センター芸術監督)と、副総合ディレクター、共同ディレクター、豊島区事業ディレクター、リサーチディレクターから成るプランニングチームの協働体制により、国内外の移動が制限される中にありながら、それぞれの専⾨性とネットワークを活かし、ワンコイン(500円)でハイクオリティな観劇を体験できる新作公演から、オンライン・オフラインを併用した国際的な人材育成プログラムまで、幅広い事業を実施しました。

東京芸術祭は、今後も東京の文化の魅力をわかりやすく見せると同時に東京における芸術文化の創造力を高めることを目指し、社会課題の解決や人づくり、都市づくり、そしてグローバル化への対応を視野に入れ、事業を展開していきます。引き続きのご支援を何卒よろしくお願いいたします。

※1:オンラインプログラムに関するリーチ数は、視聴者数・視聴再生回数を積算した数値。
※2:本公表数値は、2021年11月29日(月)23時59分時点における暫定数値です。

 
●東京芸術祭総合ディレクター 宮城 聰コメント

1年あまり前にプランニングチームで「2021年の東京芸術祭プログラム」を考えていた時、率直に申し上げて僕は、2021年の秋までCOVID-19の感染拡大が世界的に制御できていないだろうとは想像できていませんでした。
そしてそれは多くの国の国民にとっても、また、政治家にとっても同様だったと思います。端的に言えば、世界のどこにも正解がない状況、と言っていいでしょう。
このような不安に陥ったときに、一種の防衛本能のようなものがあたまをもたげ、「なるべく同質な者たちだけで固まろう、異質な者は入れないようにしよう」と考えるのが人間というもののようです。そしてその安心感のためには、経済は傷んでも構わない、そんなものはただ我慢すればいい、という方向に人の気持ちが傾くのだということも、今回のパンデミックでありありと経験しました。
しかしこの気分こそが、かつて、世界を大きな惨禍におとしいれたのではなかったでしょうか。
人類が愚行を繰り返さないために、過去の巨大な犠牲から学んだ教訓は、「異質な文化に興味を持つことが結局は人を救う」ということでした。
さまざまな困難がありつつも東京芸術祭では「他者と出会う」ことを追求し続けています。最も大きな安心は出会うことによって得られる、と思うのです。

 
●長島 確(副総合ディレクター/ファーム共同ディレクター)コメント

夏の準備期間も含めると昨年以上に厳しい状況下で、準備から会期中まで、さまざまなタイミング、さまざまな立場でご参加くださったみなさまに感謝します。日々の行動に制約がかかるようになってからもう1年半以上が過ぎて、新しい行動習慣というか身体感覚が定着しつつあり、からだを起点とするアート、人が集まり出会うことに意義があるフェスティバルの意義も役割も、少しずつ変わってきているのだと感じています。内部の体制としてはフェスティバル/トーキョーが東京芸術祭に統合されました。今年はあまりアピールする余裕がありませんでしたが、今後も「FTレーベル」として、芸術祭のなかの特徴あるプログラムを担っていきます。

 
●多田淳之介(共同ディレクター/ファームディレクター)コメント

昨年に続きコロナ禍での開催となりましたが、自分がディレクターを担当している人材育成プログラム「東京芸術祭ファーム」では海外参加者も来日を果たし、国際的な機会の大切さ、国際フェスティバルとしての役割を改めて認識することができました。一方、アジアを繋いだオンラインアートキャンプやバンコクのフェスティバルとの共同プログラムなど、対面の代替ではないオンライン環境を活かしたプログラムも実施し、参加者、スタッフ、観客と共に舞台芸術の歩みを進めることができたと感じています。

 
●内藤美奈子(共同ディレクター)コメント

昨年ITA「ローマ悲劇」来日公演を断腸の思いで諦めた芸劇オータムセレクション。今年はなんとあの太陽劇団が日本を題材に描く新作を招くという夢の企画で張り切っていました。今度こそ!と八方手を尽くしたのですが状況が整わず、再び泣きの涙をのみました。悔しい!! 替わりに上映した劇団の舞台映像4本を見てなおさら気持ちが高まってしまいました。新作はパリで無事開幕したので、いつかきっと日本のお客様にご覧頂きたいと思います。コロナの打撃いまだ大きい舞台芸術、かなり長い「歴史のまばたき」となっていますが、閉じた瞼の向こうに光は見えているような気がします。来年の東京芸術祭では新しい景色を見ていることを願い、臥薪嘗胆の時を過ごします。

 
●酒井 快(豊島区事業ディレクター)コメント

91日間におよんだ東京芸術祭2021閉幕にあたり、各プログラム、各公演、各事業にご協力いただきましたみなさま、まことにありがとうございました。開催期間中、感染症対策のため「フェスティバル」「お祭りムード」と華やかに盛り上がることはできませんでしたが、かえって静寂とした雰囲気のなかでこそ芸術文化、アートの持つ人間の根源的な力強いエネルギーを感じる日々となりました。今後も区民をはじめ多くのみなさまに、文化によるまちづくりにご協力、ご参画いただきながら、東京芸術祭を盛り上げて参りたいと思います。

 
●師岡斐子(豊島区事業ディレクター)コメント

今年は、視覚・聴覚障害がある方へのサポートを講義と実践を交えて学ぶ「観劇サポート講座」、みんなのシリーズ『能でよむ~漱石と八雲~』をラインアップしました。観劇サポート付きのみんなのシリーズ『能でよむ~漱石と八雲~』は、りゅーとぴあ、熊本県立劇場でもツアー公演を行い、東京から観劇サポート付き公演を発信したことは、あらゆる方々のはじめの一歩となりました。
あうるすぽっとが「みんなの劇場」を目指し実施してきたアクセシビリティへの取り組みが引き継がれ、東京芸術祭が“みんなの”芸術祭となることを願っています。

 
●横山義志(リサーチディレクター)コメント

今年は「ライブでしか伝わらないものとは何か?」、「アジアから舞台芸術と民主主義を考える」という二つのシンポジウムを企画しました。舞台芸術はここ一世紀ほど、時代に抗って、ライブの出会い方を磨いてきました。ライブではわからないこと、困ったことにもなんとか対応せざるを得ません。登壇者との対話と視聴者からの反応を通じて、急激なデジタル化が進んだ「コロナ後」にこそ必要なライブの出会い方が見えてきたように思います。

 
■東京芸術祭2021概要
名 称:東京芸術祭2021(英語名称:Tokyo Festival 2021) 
会 期:2021(令和3)年9月1日(水)~11月30日(火)
会 場:東京芸術劇場、GLOBAL RING THEATRE (池袋西口公園野外劇場)、あうるすぽっと(豊島区立
舞台芸交流センター)、東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)ほか東京・池袋エリア

主 催:東京芸術祭実⾏委員会

[豊島区、公益財団法⼈としま未来⽂化財団、公益財団法⼈東京都歴史⽂化財団(東京芸術劇場・
アーツカウンシル東京)]

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情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 国際舞台芸術祭「東京芸術祭2021」閉幕