韓国議会は29日、国内でのICO(仮想通貨を利用した資金調達の一種)合法化を提案した。これは投資家保護条項に従ったものに限り、ICOを認めるというもの。韓国は2017年9月、投資家保護やテロ資金供与防止などを目的としてICOを全面的に禁止していたがこれを覆す提案だ。韓国政府は今年1月にも、仮想通貨取引所の閉鎖を検討しているとの報道に対して署名抗議が28万人集まったことなどを受けて、仮想通貨取引を認める方向へと方針転換をしている。

合法化案の背景には、大手仮想通貨取引所のビッサムやIT大手のカカオなどの韓国企業が、シンガポールやスイスなどを経由したICOを検討せざるを得なくなったことがあるようだ。海外でICOを実施することで企業の負担が増加することや、巨額のICOが国外へ流出することが懸念された。

また、投資家保護を目的とした禁止措置にもかかわらず、こうした企業のICOを装った詐欺が増加しており、投資家をリスクへ晒すことになっていたことも方針転換のきっかけの一つだろう。法的基盤を整備した上でICOの認可を行えば、投資家保護条項に従った「合法化ICO」を詐欺案件と明確に区別することが可能になる。

また、今回の提案を受け、政府や国会においてブロックチェーンやICOに関する議論が加速するかどうかにも注目が集まっている。第4次産業革命に対応するための総合的な国家戦略を講じるために設立された第4次産業革命特別委員会は28日、仮想通貨取引の透明性を高めるために、民間の専門家を含めた専門チームを設立する必要があると指摘した。また、同委員会はICOの認可を含めた仮想通貨取引の法的基盤構築についても言及している。

足元ではビットコインを中心に緩やかな下落基調が続いていた仮想通貨だが、比較的高い取引シェアを占める韓国において法的基盤が構築されることで取引が活発になれば、今後の価格上昇も期待されるところだろう。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 韓国国会、ICO合法化案を提出、認可へ方針転換か【フィスコ・ビットコインニュース】