法定通貨に裏付けされたアルトコインを発行するテザー(USDT)社によって20日、1トークンあたり1ドルの価格で3億ドル分のUSDTトークンを発行したことが伝わっている。レートが米ドルに固定されている点が特徴であるUSDTは、これまで大手仮想通貨取引所のビットフィネックス(Bitfinex)に着金した後にビットコイン(BTC)価格の上昇が発生することが多いとの観測があったほか、準備金に関する証拠を公表していないとの疑惑もあった。

先月行われた専門機関による調査では、同社はプエルトリコの銀行に発行済みのUSDTトークンに十分対応できる準備金を保有している可能性がいったん明らかとなっていた。しかし、依然として顧客確認や資金洗浄対策などの手続きを修正する必要性は残っており、その動向によっては閉鎖に追い込まれると指摘されていた。

今回のトークン発行が行われた3月20日午後6時51分(UTC=協定世界時)とほぼ同時に、再びBTC価格の上昇がみられた。翌21日にあった一部市場関係者によるSNS上での「今回のようにテザーが大量発行を行えば、BTC価格を上昇させてしまう」といった類の発言からも、投資家の間に広がる顧客確認や資金洗浄対策に対する懸念が払しょくされるには時間を要するとみられる。






<SK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 テザー社、3億ドル分のトークン発行が伝わる【フィスコ・ビットコインニュース】