29日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比274.20ポイント(0.94%)安の28994.10ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が106.27ポイント(0.98%)安の10757.30ポイントとそろって続落した。売買代金は1461億2600万香港ドルとなっている(短縮取引の28日は1015億9700万香港ドル)。


経済回復の鈍化が懸念される流れ。一部の国では感染力の強い新型コロナウイルス変異種が流行し、行動規制を再び強化している。中国主要経済指標の動向も不安視。あす30日、今年6月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が発表される。最新のコンセンサス予想では、5月実績からやや低下する見込みだ。今月報告された月次経済指標が総じて弱い内容だっただけに、足もとの経済動向を見極めたいとするスタンスが広がっている。


原油や非鉄の市況安も逆風。昨夜のWTI原油先物は、需要減の警戒感で1.5%安と反落した。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)でも、主要な非鉄の先物価格が安く推移している。昨夜の米ハイテク株高や、中国の金融緩和に対する期待感で指数は小じっかりでスタートしたものの、程なくマイナスに転じ、下げ幅を徐々に広げた。(亜州リサーチ編集部)


景気動向に敏感な資源・素材セクターが下げを主導。中国石油化工(サイノペック:386/HK)が4.6%安、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.1%安、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.9%安、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.7%安、江西銅業(358/HK)が2.6%安、中国建材(3323/HK)が2.4%安、華潤水泥HD(1313/HK)が1.8%安で引けた。


海運・港湾セクターも安い。中遠海運HD(1919/HK)が4.3%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.7%、太平洋航運集団(2343/HK)が1.6%、中遠海運港口(1199/HK)が5.5%、廈門国際港務(アモイ国際港務:3378/HK)が2.0%、天津港発展HD(3382/HK)が1.6%ずつ下落した。


半面、太陽光発電の関連銘柄は高い。陽光能源HD(757/HK)が13.8%、中国水発興業能源集団(旧社名・中国興業太陽能技術HD:750/HK)が9.2%、福莱特玻璃集団(フラット・グラス・グループ:6865/HK)が5.9%、信義光能HD(シンイ・ソーラー・ホールディングス:968/HK)が5.7%、新特能源(シンター・エナジー:1799/HK)が5.5%、北京能源国際HD(686/HK)が3.6%、信義能源HD(シンイー・エナジー・ホールディングス:3868/HK)が2.0%ずつ上昇した。当局の太陽光発電振興策に対する期待が大きい。国家能源局総合司は今月20日、「県・市・区建物屋上分散型太陽電源開発の試行案に関する通知」を公布し、公共施設などを中心に、屋上太陽光エネルギーの利用を加速する方針を打ち出した。


本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.92%安の3573.18ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。金融株、資源・素材株、公益株、インフラ関連株、海運株、不動産株なども売られている。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で続落、景気敏感株に売り