2日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比170.38ポイント(0.58%)安の29297.62ポイントと4日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が38.91ポイント(0.35%)安の10951.84ポイントと3日ぶりにそれぞれ反落した。売買代金は1502億3100万香港ドルとなっている(1日は1569億9400万香港ドル)。


中国発の新規買い材料に乏しい中で、売り圧力が意識される流れ。ハンセン指数は前日まで3日続伸し、足もとで約3カ月ぶりの高値水準を切り上げていた。上海株が高寄り後に下げたことも、投資家心理の重しとなっている。もっとも、大きく売り込む動きはみられない。米中関係の改善期待が高まっている。中国の劉鶴・副首相と米国のイエレン財務長官は2日午前(日本時間)、ビデオ会談を行った。中国国営メディアによれば、米中経済関係の重要性を互いに確認したという。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)と電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)がそろって3.0%安と下げが目立った。


セクター別では、医薬品が安い。上記した薬明生物技術のほか、緑葉製薬集団(2186/HK)が3.0%、山東新華製薬(シャンドン・シンファ・ファーマシューティカル:719/HK)が2.7%、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が2.6%、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が2.0%ずつ下落した。


非鉄や鉄鋼の素材セクターもさえない。新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.5%安、江西銅業(358/HK)が1.6%安、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が0.9%安、重慶鋼鉄(1053/HK)が4.1%安、鞍鋼(347/HK)が1.8%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.6%安で取引を終えた。


半面、自動車セクターは高い。吉利汽車HD(175/HK)が5.9%、東風汽車集団(489/HK)が3.6%、広州汽車集団(2238/HK)が2.2%、長城汽車(2333/HK)が1.6%ずつ上昇した。民間自動車メーカーの吉利汽車に関しては、新モデル車の販売見通しが刺激。高級電気自動車(EV)の新ブランド「ZEEKR」について、今年第4四半期(10〜12月)にファーストモデル「ZEEKR 001」を出荷開始するなどと報じられた。


一方、本土市場は3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.76%安の3597.14ポイントで取引を終了した。医薬品株が安い。消費関連株、ハイテク株、素材株、運輸株、証券・保険株なども売られた。半面、自動車株は高い。銀行株やエネルギー株、公益株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 2日の香港市場概況:ハンセン0.6%安で4日ぶり反落、医薬品セクターに売り