16日の中国本土市場は小幅に値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比0.25ポイント(0.01%)安の3366.98ポイントと続落した(上海A株指数は0.01%安の3529.27ポイント)。


対中制裁の余波が警戒される流れ。指数算出会社のMSCIは15日、米国防総省が中国人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業のリストを更新したことに絡み、一部株価指数の組み入れ銘柄から中国企業株10銘柄を除外すると発表した。これまでにFTSEラッセル、S&Pダウ・ジョーンズ、ナスダックが同様の措置を発表。市場では、MSCIの対応による影響が最も大きいとして、その動きに注目が集まっていた。投資資金が流出すると不安視されている。


ただ、下値は限定的。中国の政策に対する期待感を支えに、指数はプラス圏で推移する場面もみられている。中国共産党・政府が今週、翌年の経済政策の基本方針を決める「中央経済工作会議」を開催する見通し——と伝わる中、政策で恩恵を受けやすい銘柄が物色された。中央政府の策定する第14次5カ年計画(2021〜25年)では、内需の掘り起こしが綱要となる見込みという。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテク関連が安い。パワーエレクトロニクス用半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)が4.3%、スーパーコンピュータ世界大手の曙光信息産業(中科曙光:603019/SH)が2.2%、ずつ下落した。中科曙光は上述したMSCIの指数構成銘柄から除外される予定。同様に組み入れから除外される銘柄では、深セン上場で監視カメラの杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン:002415/SZ)が1.5%安と下げている。このほか自動車株、不動産株、素材株、銀行・証券株なども売られた。


半面、消費関連株はしっかり。ホテル業大手の上海錦江国際酒店発展(600754/SH)が5.8%高、家電メーカーの海爾智家(600690/SH)が3.0%高、醤油メーカー中国大手の仏山市海天調味食品(603288/SH)が1.4%高で引けた。上海錦江国際酒店発展は上場来高値を更新している。そのほか、医薬品株、運輸株、証券株、公益株、インフラ建設関連株の一角も買われた。


一方、外貨建てB株相場はまちまち。上海B株指数が0.10ポイント(0.04%)安の235.60ポイント、深センB株指数が2.59ポイント(0.25%)高の1051.44ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の中国本土市場概況:上海総合0.01%安で続落、ハイテク関連に売り