23日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比396.00ポイント(1.62%)高の24907.34ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が114.46ポイント(1.16%)高の9993.48ポイントとそろって反発した。売買代金は1194億4700万香港ドルとなっている(22日は1195億8100万香港ドル)。

米政府高官の発言を巡り乱高下する展開。米メディアは日本時間23日午前、「ナバロ米大統領補佐官が新型コロナウイルスを巡る中国の対応を猛烈に非難し、通商協議は『終わった』とインタビューに答えた」と報じるなか、指数は寄り付き後に急落したものの、ナバロ氏が報道を否定すると急速に値を戻した(ハンセン指数は一時1.3%下落)。同報道に関しては、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長も「協議が進展なく終わったというのは完全に間違い」との見解を述べたほか、トランプ米大統領は「中国との通商合意は全く損なわれていない」とツイッターに投稿している。むしろ、通商対立の懸念も薄らいだ格好だ。

市場活性化の期待も根強い。本土メディアは22日、「米ナスダックに上場するデータセンター運営の万国数据服務(GDS/US)は、早ければ年内に香港で株式公開する」と伝えた。足もとでは、電子商取引(Eコマース)中国大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)やオンラインゲーム中国大手の網易(ネットイース:9999/HK)など米国上場する中国企業の「香港回帰」が相次いでいる。

ハンセン指数の構成銘柄では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が4.9%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.7%高、米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)が3.0%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が2.8%高と上げが目立った。テンセントと香港交易所はそれぞれ、連日で上場来高値を更新している。

セクター別では、ネット関連が高い。上記したテンセントのほか、心動(XD:2400/HK)が7.5%、中手遊科技集団(302/HK)が7.1%、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が3.9%、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が3.7%、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が3.3%ずつ上昇した。

医薬・医療関連の銘柄群も物色される。上述した中国生物製薬のほか、薬明生物技術(2269/HK)が5.3%高、斯瑞生物科技(ジェンスクリプト・バイオテック:1548/HK)が2.2%高、山東威高集団医用高分子製品(ウェイガオ・グループ・メディカル・ポリマー:1066/HK)が5.0%高、微創医療科学(853/HK)が5.3%高、阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が8.0%高で引けた。

半面、鉄鋼や非鉄、建材など素材セクターはさえない。馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.1%、鞍鋼(347/HK)が3.0%、中国東方集団HD(581/HK)が2.1%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が2.4%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が0.8%、北京金隅(BBMG:2009/HK)が1.3%、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が1.1%ずつ下落した。

一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.18%高の2970.62ポイントで取引を終えた。消費関連株が高い。医薬品株、メディア関連株、公益株、ハイテク株、証券株の一角なども買われた。半面、インフラ関連株は安い。不動産株、運輸株、自動車株、銀行・保険株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)




<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 23日の香港市場概況:ハンセン1.6%高で反発、テンセントや香港交易所が上場来高値