27日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比40.08ポイント(0.15%)高の26954.00ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が2.74ポイント(0.03%)高の10620.11ポイントとそろって反発した。売買代金は757億1900万香港ドルに縮小している(26日は1330億4800万香港ドル)。

米株の史上最高値更新を好感。米中協議の進展が期待された。トランプ米大統領は26日、通商協議の「第1段階」合意は最後の難所を迎えているとしたうえで、「完了は近い」と記者団に語っている。また、コンウェイ米大統領顧問は同日、通商合意は「かなり近づいている」とメディアインタビューで答えた。ただ、上値は限定的。協議の成り行きを見極めたいとするスタンスが依然として根強いほか、中国・香港の景気先行き不安も重しとなった。中国では全国工業企業の利益総額が今年10月、前年同月比で9.9%減少し、下げが一段と加速している。香港では10月の輸出額が9.2%減少し、予想以上の落ち込みを記録した。

26日に新規上場した中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)は3.0%高と大幅続伸。一部の大手ブローカーは早くもカバレッジを開始し、目標株価を強気に設定した。

ハンセン指数の構成銘柄では、地下鉄運営の香港鉄路(MTR:66/HK)が3.8%高、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が2.6%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が2.5%高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が2.1%高と上げが目立った。

業種別では、半導体や5Gネットワーク関連が高い。華虹半導体(1347/HK)が3.8%、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が2.2%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.6%、中国通信服務(552/HK)が1.9%、京信通信系統HD(2342/HK)が1.7%ずつ値を上げた。

半面、小売や食品飲料の消費セクターはさえない。聯華超市(980/HK)が4.4%安、百盛商業集団(パークソン・リテール:3368/HK)が1.4%安、中国雨潤食品集団(1068/HK)が2.3%安で引けた。

他の個別株動向では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が4.6%安と急落。1~9月期増益率が2.5%にとどまり、成長ペースが1~8月期と比べて減速したことを嫌気した。同社は今後の見通しについて、集中調達制度が全国範囲に拡大されるに伴い、売上高や利益がさらに影響を受ける可能性があると説明している。同業他社株の一角にも売りが波及した。

一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.13%安の2903.19ポイントで取引を終えた。証券株が安い。運輸株、自動車株、消費関連株、メディア関連株なども下げが目立った。半面、ハイテク株は高い。農業関連株、銀行株、非鉄株、医薬品株の一角も買われた。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で小反発、アリババ上場2日目3.0%高