17日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比334.31ポイント(1.23%)安の26790.24ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が125.88ポイント(1.18%)安の10502.37ポイントとそろって続落した。売買代金は680億7800万香港ドルに縮小している(16日は813億8100万香港ドル)。

香港・中国経済の先行きが不安視される流れ。香港の反政府デモが長期化するなか、米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは16日、香港のアウトルック(格付け見通し)を「ステーブル(安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に修正した。

中国の利下げ期待後退もネガティブ材料視された。中国人民銀行(中央銀行)は17日、「中期貸出ファシリティー(MLF)」を通じ資金供給したものの、金利は据え置き。市場ではこれ以前に、人民銀がMLF金利の引き下げによって市場金利の低下を促すとの見方が一部で広がっていたが、この期待が外れた格好だ。また、中国では、8月の鉱工業生産や小売売上高の伸びが予想に反して前月実績を下回っている。

ハンセン指数の構成銘柄では、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が3.6%安、域内大手行の中銀香港(2388/HK)が3.5%安、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が3.3%安、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が3.2%安と下げが目立った。

業種別では、中国の金融が安い。海通証券(6837/HK)が3.5%、中信証券(6030/HK)が3.1%、新華人寿保険(1336/HK)と中国太平洋保険集団(2601/HK)がそろって2.5%、中国民生銀行(1988/HK)が1.8%、中国建設銀行(939/HK)が1.6%ずつ下落した。

紙・パルプ、空運セクターもさえない。山東晨鳴紙業集団(1812/HK)が3.0%安、理文造紙(2314/HK)が2.6%安、恒安国際集団(1044/HK)が1.8%安、中国南方航空(1055/HK)が3.4%安、中国東方航空(670/HK)が2.7%安、中国国際航空(753/HK)が2.4%安で引けた。人民元安の動きがマイナス。紙製品各社は原料を輸入し、空運各社はドル建て債務の比率が高いだけに、業績に対する悪影響が不安視されている。人民銀は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を元安水準に設定。予想以上の元安水準となるなか、上海外国為替市場では、元安の動きが再び強まった。

他の個別株動向では、携帯端末OEMメーカー大手の富智康集団(FIHモバイル:2038/HK)が20.0%安と急反落した。親会社、台湾・鴻海精密工業(ホンハイ:2317/TW)の郭台銘会長は16日夜、台湾の次期総統選への出馬断念を発表。出馬意向を表明した今年4月時点では、富智康集団株が急騰した経緯がある。

一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.74%安の2978.12ポイントで取引を終えた。保険・証券株が下げを主導する。ハイテク株、資源・素材株、自動車株、消費関連株、空運株、インフラ関連株、公益株なども売られた。半面、海運株や医薬品株の一角は買われている。

【亜州IR】





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情報提供元: FISCO
記事名:「 17日の香港市場概況:ハンセン1.2%安で続落、経済動向など不安視