21日の香港市場は小じっかり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比38.50ポイント(0.15%)高の26270.04ポイントと反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が44.52ポイント(0.44%)高の10177.29ポイントと6日続伸した。売買代金は750億9400万香港ドルとなっている(19日は794億9000万香港ドル)。

好業績銘柄が買い進まれる流れ。中間決算の報告が本格化するなか、業績改善を明らかにする企業が目立っている。人民元安の警戒感もやや薄らぐ。中国人民銀行(中央銀行)は21日朝方、人民元レートの対米ドル基準値を4日ぶりに元高方向へと設定した。この日の上海外国為替市場では、対米ドルで元高に転じて推移している。ただ、上値は重い。香港情勢や米中関係の不透明感がくすぶっている。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は20日、抗議行動を続ける民主派に対話を呼びかけたものの、民主派側は即座に拒否した。また、ポンペオ米国務長官は20日、「通信機器の華為技術(ファーウェイ)以外にも、国家安全保障に脅威を与える中国企業がある」と発言している。

ハンセン指数の構成銘柄では、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が4.5%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.6%高、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が3.5%高と上げが目立った。華潤置地に関しては、中間4割増益と配当増額が改めて材料視されている。中国生物製薬は来週28日に業績報告する予定。石薬集団は、19日に報告した中間決算の25%増益が引き続き手がかりになっている。

業種別では、中国の不動産が高い。上記した華潤置地のほか、雅居楽集団HD(3383/HK)が5.6%、保利置業集団(119/HK)が4.9%、首創置業(北京キャピタル・ランド:2868/HK)が2.3%、万科企業(2202/HK)が1.4%ずつ上昇した。雅居楽は昼に35%増益の中間業績を発表。後場から上げ幅を拡大した。万科企業は20日引け後、中間期の3割増益を公表している。

他の個別株動向では、「中国版ゆうちょ銀行」の中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が2.7%高。中間業績の15%増益が好感された。

半面、香港拠点の銘柄群はさえない。香港中華煤気(ホンコン・チャイナガス:3/HK)が5.3%安、新世界発展(17/HK)が0.6%安、香港鉄路(MTR:66/HK)が0.4%安、電能実業(6/HK)と恒基兆業地産(12/HK)がそろって0.3%安と下落した。モルガン・スタンレーのストラテジストは最新リポートで、長引くデモ活動による個人消費や観光業へのインパクトに懸念を示し、香港経済がマイナス成長に陥る恐れがあると指摘している。また、ホンコン・チャイナガスについては、中間期の19%減益などがネガティブ材料だ。

一方、本土市場は小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.01%高の2880.33ポイントで取引を終えた。ハイテク株が高い。不動産株、海運株、銀行・保険株の一角なども買われた。半面、資源・素材株は安い。消費関連株、自動車株、インフラ関連株なども売られている。

【亜州IR】





<FA>

情報提供元: FISCO
記事名:「 21日の香港市場概況::ハンセン0.2%高で反発、好決算で華潤置地4.5%上昇