週明け14日の中国本土マーケットは値上がり。主要指標の上海総合指数は、前営業日比10.77ポイント(0.34%)高の3174.03ポイントと反発した。上海A株指数も上昇し、11.32ポイント(0.34%)高の3324.27ポイントで取引を終えている。

米中貿易戦争の過度な警戒感がやや後退する流れ。トランプ米大統領は13日、米当局が制裁を科した中興通訊(ZTE:000063/SZ、763/HK)に関し、「早期の事業再開を支援する」と自身のツイッターでコメントした。また、米クアルコムによるオランダNXP買収の承認申請を巡り、関係者が「中国当局が審査再開したようだ」と発言したことも買い安心感を誘う。米中通商関係が悪化するなか、審査は棚上げ状態になっていた。海外マネーの流入期待も根強い。中国A株を組み入れる「新・MSCI新興国指数」のスタートを6月1日に控え、MSCIはあす15日早朝(日本時間)、A株採用リストを公表する予定だ。

業種別では、消費関連の上げが目立つ。白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が3.4%高、家電メーカー中国大手の青島海爾(600690/SH)が3.1%高で引けた。金融株や空運株も高い。自動車株や半導体関連株も物色された。

他の個別株動向では、深センに上場する液晶パネル中国最大手の京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ:200725/SZ)が3.2%上昇する。同社はZTEとの取引が大きいだけに、制裁解除が期待された。このほかZTE関連では、創業版に上場する通信用機器の中富通集団(300560/SZ)が値幅制限いっぱいまで買われている。

半面、石油や石炭のエネルギー株がさえない。原油相場の下落が嫌気された。不動産株、軍需関連株なども値を下げている。

一方、外貨建てB株の相場はまちまち。上海B株指数が0.42ポイント(0.13%)安の321.00ポイント、深センB株指数が1.24ポイント(0.11%)高の1104.16ポイントで終了した。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 12日の中国本土市場概況:上海総合0.3%高で反発、消費セクターしっかり