■業績動向

(2) 財務状況
フェローテックホールディングス<6890>の2023年3月期第2四半期末の財務状況は、流動資産が190,942百万円(前期末比57,528百万円増)となった。主に現金及び預金の増加31,246百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加16,482百万円、たな卸資産の増加14,119百万円による。現金及び預金が大幅増となったのは、主に中国子会社の第三者割当増資による増加(19,759百万円)である。固定資産は前期末比で48,032百万円増加し179,390百万円となった。主にマテリアル製品(石英、セラミックス、シリコンパーツ)、パワー半導体用基板等の増産投資を実施したことによる有形固定資産の増加38,533百万円、無形固定資産の増加3,856百万円(主に新規連結子会社による「のれん」の増加3,144百万円)、投資その他資産の増加5,644百万円(主に中国子会社によるSiCパワーデバイスメーカーである蕪湖啓迪半導体有限公司への出資4,076百万円など)による。その結果、資産合計は370,333百万円(同105,561百万円増)となった。

負債合計は、145,306百万円(同41,491百万円増)となった。要因として、電子記録債務を含む支払手形及び買掛金の増加6,973百万円、1年内償還予定の社債と1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金等の増加12,104百万円、社債の減少3,724百万円、転換社債型新株予約権付社債の減少2,134百万円、長期借入金の増加12,851百万円等による。また純資産合計は、225,026百万円(同64,069百万円増)となった。中国子会社の第三者割当増資による資本剰余金の増加11,034百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加14,958百万円、円安進行に伴う為替換算調整勘定の増加17,334百万円、中国子会社への第三者割当増資による非支配株主持分の増加19,762百万円等によるものである。この結果、2023年3月期第2四半期末の自己資本比率は47.3%(前期末は49.5%)となった。

(3) 新規連結子会社
2023年3月期第2四半期中に、以下の会社が新規連結子会社となった。

1) 東洋刃物(株)
・1925(大正14)年創業の工業用機械刃物製造分野で国内トップを走る工業用刃物の老舗企業
・TOBを実施し、2022年7月より完全子会社化(連結セグメントは「その他」事業)
・杭州で展開する刃物事業とのシナジーを創出するため、同敷地内に生産拠点を構築し、技術・人材を融合させる
・今後情報産業分野等で中国市場の開拓を図る
・2023年3月期での売上寄与見込みは4,023百万円
2) (株)大泉製作所
・温度センサの有力メーカー
・TOBを実施し、2022年8月より子会社化(連結セグメントは「電子デバイス」事業)
・大泉製作所が得意とする車載・空調用の温度センサ技術に同社が培った自動化・デジタル化の生産技術力を融合させ、日本・中国・欧州市場での販売拡大を図る
・温度センサの日本・中国での生産能力増強を検討
・2023年3月期での売上寄与見込みは9,896百万円

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 フェローテク Research Memo(4):設備投資により有形固定資産が増加(1)