■業績動向

1. 2022年12月期第1四半期業績の概要
東京通信<7359>の2022年12月期第1四半期業績は、売上高が1,313百万円(前年同期は1,085百万円)、営業利益が37百万円(前年同期比77.6%減)、経常利益が50百万円(同64.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が19百万円(同76.7%減)、EBITDAが116百万円(同32.7%減)となった。マーケティング体制の強化によって、電話占い「カリス」をはじめプラットフォーム事業が堅調に推移した。インターネットメディア事業においては、2021年12月期に大ヒットした「Save them all」等の既存タイトルは売上高が減少したものの、ロングランの既存タイトルや新規ヒットタイトルの貢献もあり、全体では増収となった。

一方で、海外領域のさらなる拡大のために東アジアに向けてアプリの提供を本格的に開始したことと、新たなジャンルとしてPlay-to-Earn領域においてプロモーションを強化したことで、開発費及び広告出稿費が増加し、減益となった。

2. 事業セグメント別動向
(1) インターネットメディア事業
セグメント別の売上高では、インターネットメディア事業の売上高が820百万円(前年同期比20.8%減)、セグメント利益は113百万円(同55.8%減)となった。2021年12月期にヒットした「Save them all」等の既存タイトルの売上高が減少傾向にあるものの、新規タイトルである「shoot’em all」の収益貢献が始まった。また、海外領域のさらなる拡大として台湾、香港、韓国を中心とした東アジアへのアプリの提供を本格的に開始した。潜在顧客層の拡大が期待できる新ジャンルの開拓として、懸賞アプリをはじめとするインセンティブゲームの開発と、積極的なプロモーションを行ったため、開発費及び広告出稿費が増加した。

(2) プラットフォーム事業
プラットフォーム事業は、売上高が425百万円、セグメント利益は55百万円となった。プラットフォーム事業については2021年12月期第2四半期から新たな報告セグメントとして追加したため、前年同期比については算出していない。電話占い「カリス」が引き続き堅調に推移した。2021年12月期から取り組んでいたマーケティング体制の強化により、新規会員獲得のためのCPA(顧客獲得単価)の改善と、SEO対策による自然流入会員の獲得を行う事で収益性の向上につなげた。

(3) インターネット広告事業
インターネット広告事業の売上高は63百万円、セグメント損失は5百万円(前年同期は16百万円の利益)となった。インターネット広告領域において、アドテクノロジーを活用したアフィリエイト広告と、運用型広告、SEOによる広告主の課題解決を行った。有望なアフィリエイターとの関係性の強化による提携ネットワークの拡大と、利益率の向上のための自社メディアを中心とした広告商品の開発の取り組みを強化していることで、新規広告商品の開発費と人件費が増加し、損失計上となった。

(4) その他の事業
その他の事業の売上高は4百万円、セグメント損失は32百万円(前年同期はセグメント損失19百万円)となった。売上高の主な内訳は、スキルオン事業のオンラインフィットネスサービスと、ソリューションセールス事業のOA機器の販売代理によるものとなっている。

3. 財務状況と経営指標
2022年12月期第1四半期末における財政状態は、資産合計が3,934百万円(前期末比70百万円減)、負債合計が2,780百万円(同89百万円減)、純資産合計は1,153百万円(同19百万円増)となった。資産の主な減少要因は、償却により無形固定資産が67百万円減少したことによる。負債の主な減少要因は、長期借入金が62百万円、繰延税金負債が17百万円減少したことによる。純資産の主な増加要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が19百万円増加したことが挙げられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 大川勇一郎)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 東京通信 Research Memo(3):マーケティング体制の強化により、プラットフォーム事業が引き続き堅調に推移する