(1) 高品質化を志向するOTT領域の事業戦略 動画配信が一般化・高速化するにつれ、高品質な配信のニーズも強まっている。2021年7月に、実証実験的な側面もあるが、宝塚歌劇星組舞浜アンフィシアター公演 「REY’S Special Show Time『VERDAD(ヴェルダッド)!!』—真実の音—」を、(株)NTTドコモが開発した世界初の「8Kウルトラズーム」でライブ配信する際、必要となるサーバーからライブディレクションや当日の現場エンコード、CDNなどの仕組みを同社がワンストップで提供した。また電子楽器大手の(株)コルグとコラボレーションし、業界史上最高音質のインターネット動画配信システム「Live Extreme」の提供を2021年9月に開始した。「Live Extreme」と同社のCDNを組み合わせて、最大4Kの高解像度映像とともに、高音質なロスレス・オーディオやより高品位なハイレゾ・オーディオ(最大PCM384kHz/24bit及びDSD5.6MHz)の低遅延で臨場感あふれる高音質・高品位なインターネットライブを配信した。同社は、吉本興業ホールディングス(株)の完全子会社BSよしもと(株)へ第三者割当増資の引受による出資を行った。放送同時配信(サイマル放送)や見逃し配信などの面でBSよしもとのインターネット配信をサポートするほか、制作から配信やマネタイズなどバリューチェーン全体のノウハウを蓄積していく考えである。