b) DX事業の拡大 CAEシミュレーション技術に、ビッグデータ分析やAI技術、AR/VRを組み合わせることによって付加価値の高いソリューションを提供し、開発現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を支援するDX事業の拡大を成長戦略として掲げている。例えば、CAEシミュレーションにAI技術を組み合わせることで、解析時間の大幅短縮、精度や品質の向上を実現するなど、設計開発プロセスにおいて新たな付加価値を提供していくことが可能となる。また、IoTとCAEを連携させたデジタルツインの環境を構築したり、AR/VR技術を組み合わせることで運用管理者の保守作業を分かりやすく支援する新たなソリューションの提供も開始している。
c) シミュレーションの活用領域の拡大 シミュレーション技術はここ数年、ものづくり支援用途だけでなく、気象予測や自然災害対策、通信や電力などの生活インフラ、美容や医療など幅広い分野に活用領域が広がってきており、同社においても、こうした製造業以外の分野にも積極展開していくことで売上を拡大していく方針となっている。2021年のソリューションの取り組み例として、建築業界向けに点群データという3次元座標データを用いて空調機器の換気性能のシミュレーションを実施したほか、ヘルスケア業界向けに光学式心拍センサーの開発期間とコストを削減するソリューションを開発した。