■今後の見通し

1. 2019年3月期業績見通し
TOKAIホールディングス<3167>の2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.1%増の195,600百万円、営業利益が同27.2%増の13,960百万円、経常利益が同24.0%増の13,880百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.6%増の7,920百万円と期初計画を据え置いている。売上高は2期連続増収で5期ぶりに過去最高を更新、すべての利益項目で2期ぶりに過去最高を更新する見通しだ。

2019年3月期末のグループ顧客件数が前期末比65千件増の2,941千件に拡大し、月額課金収益の積み上げにより21億円の増益要因となるほか、2018年3月期に実施した顧客獲得及び解約防止のための費用が減少することが増益要因となる。顧客件数の増加分の大半はLPガス事業とCATV事業で、LPガス事業については前期末比35千件増(下期は26千件増)、CATV事業は同28千件増(同14千件増)を見込んでいる。セグメント別では、上期に減益だったガス及び石油事業が通期では増益に転じるほか、CATV事業やアクア事業などが上期に続いて好調を持続する見通しとなっている。

主要事業の収益見通しについて見ると、上期に減益となったLPガス事業は第3四半期に入って値上げを実施するため、下期からは利益率も上昇し、通期で2ケタ増益に転じる見通しだ。リスク要因としては、冬場の気温動向が挙げられる。例年よりも暖冬になれば販売量が減少する可能性がある。顧客獲得に関しては既存エリアでの更なる積み上げに取り組むほか、2018年3月期に進出した岡山県や岐阜県、2018年6月に進出した福岡県での新規顧客開拓が期待される。なお、2020年3月期には新たに三重県や長野県にも進出する計画となっており、今後も顧客件数拡大による収益成長を目指して行く方針となっている。

情報通信サービス事業については、コンシューマー向け事業の顧客件数が伸び悩み売上高は1ケタ台の増収にとどまるものの、利益は2ケタ増益に転じる見通しとなっている。「LIBMO」や光コラボの販促費が減少することに加えて、上期に減益だった法人向け事業についても、下期はデータ通信サービスやシステム開発案件等の売上げが伸長することで増益に転じることも寄与する。データ通信サービスに関しては、2018年8月末にアジア太平洋地域で最大級のネットワークを有するテルストラグループのテルストラ・ジャパン(株)のネットワークと相互接続し、海外向けのデータ通信接続サービスを開始したことも下期の増収要因となる。

CATV事業については引き続き携帯キャリアとの連携によるセット販売により、顧客件数の積み上げに取り組んでいくほか、自社の光ファイバー網を生かした高速通信サービスを提供できることを強みに、放送と通信の複数契約率を引き上げていくことで収益性が向上、2ケタ増益を見込んでいる。

アクア事業については、下期も引き続き大型ショッピングセンター等での店頭販売により、顧客件数の積み上げを図っていくことで2ケタ増益が見込まれる。また、新たな取り組みとして関東エリアにおける宅配飲料水の配送業務効率化とサービス品質の向上を目的に、同業のトーエル<3361>と業務提携契約を締結したことを発表(2018年11月8日付)している。具体的には、関東エリアにおける同社のアクア商品の配送にトーエルの配送システムを活用し、配送業務の効率化とコスト削減、及び顧客接点強化を図ることで、アクア事業の更なる成長を目指すというもの。従来、関東エリアでは大手運送会社に委託していたが、昨今のドライバー不足を背景に運送費が上昇し、一部を顧客料金に転嫁していた。今回、トーエルの配送システムを活用することで、コスト削減効果が期待できることになる。ちなみに、トーエルは関東エリアで宅配水飲料事業の顧客を25万件抱えている。

なお、同社ではデジタルマーケティング戦略の1つとして、2018年10月に「TLCポイントアプリ」の提供を開始した。同社グループが提供するサービスを利用するTLC会員向けに、会員が保有するTLCポイントの確認や利用などを可能とし、同社グループからの各種サービス、キャンペーン・イベント情報等の配信もタイムリーに実施できるようになる。今後はスマートフォンアプリや各サービスのWebサイト等を通じで収集した顧客のビックデータ(行動履歴)を分析し、顧客属性や嗜好に合わせて最適なデジタルマーケティング施策を実施し、顧客当たり収益の最大化を実現するプラットフォームの構築を進めていく計画となっている。2018年9月末時点でTLC会員数は757千人となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



<HN>

情報提供元: FISCO
記事名:「 TOKAI Research Memo(5):顧客基盤の拡大や販促コストの減少等により2期ぶりに過去最高益を更新見通し