飯野海運<9119>は10月31日、2019年3月期第2四半期(18年4-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比3.8%増の419.68億円、営業利益が同1.1%減の33.02億円、経常利益が同6.2%増の32.70億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同34.4%増の46.30億円となった。

外航海運業の売上高は前年同期比4.5%増の321.38億円、営業利益は同20.1%減の11.07億円となった。オイルタンカーは支配船腹を中長期契約に継続投入し、安定収益を確保した。ケミカルタンカーは、市況低迷の影響を受け運航採算は悪化したが、基幹航路である紅海を含む中東域から欧州向け及びアジア向けの数量輸送契約に加え、スポット貨物を積極的に取り込むことで、安定した稼働を維持した。プロダクトタンカーは、低迷する市況を鑑み、1隻を処分し、損益の改善に努めた。大型ガスキャリアは、LPGキャリア及びLNGキャリア共に既存の中長期契約へ継続投入することで安定収益を確保した。ドライバルクキャリアは石炭専用船とチップ専用船については順調に稼働した。ポストパナマックス船は市況上昇のタイミングを捉えた配船や数量輸送契約に投入した他、新規の専航船契約を締結する等、安定収益の確保に努め、運航採算が改善した。ハンディ船は市況が横ばいから軟調に推移したが、数量輸送契約への投入を中心に効率的な配船・運航に努め、運航採算は向上した。

内航・近海海運業の売上高は前年同期比2.3%増の45.48億円、営業利益が同84.6%増の4.69億円となった。内航ガス輸送は、LPGの季節的要因による減産と石油化学ガス出荷プラントの定期修繕に伴う輸送量減少の影響を受けたが、中長期契約に基づく安定的な売上の確保と効率配船の実施により採算を維持した。近海ガス輸送は、東南アジアの荷動きが軟調だったが、中長期の定期貸船契約に基づき安定した貸船料収入を維持した。

不動産業の売上高は前年同期比1.5%増の53.63億円、営業利益は同1.6%増の17.26億円となった。賃貸ビルは、所有する各ビルにおいて良質なテナントサービスの提供に注力し、順調な稼働を維持した。また、新橋田村町地区市街地再開発事業では概ね計画通りに建築工事が進捗した。イイノホール&カンファレンスセンターは、セミナー、講演会、映画試写会、その他催事の積極的な誘致により、稼働の維持に努めた。スタジオ関連事業を行うイイノ・メディアプロは、プロダクション部門での海外大型広告案件獲得の他、主力のスタジオ部門、ロケーション、レタッチ部門での積極的な利用誘致により、稼働は堅調に推移した。

2019年3月期通期の連結業績予想については、同日、業績予想の修正を発表した。売上高が前期比4.5%増の850.00億円、営業利益が同0.9%増(前回予想比10.9%減)の57.00億円、経常利益が同25.2%増(同9.4%増)の58.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同57.9%増の67.00億円としている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 飯野海運---2Q増収、全セグメントで堅調に推移