■業績動向

(5) 財務状況及びキャッシュ・フローの状況
パイプドHD<3919>の2019年2月期第2四半期末の財務状況は、資産合計は5,476百万円(前期末比369百万円増)となった。流動資産は167百万円増加したが、主に現預金の増加193百万円、受取手形及び売掛金の減少29百万円による。固定資産は201百万円の増加となったが、無形固定資産の増加32百万円、投資その他の資産の増加180百万円による。負債合計は3,083百万円(同364百万円増)となったが、主に短期借入金の増加500百万円などによる。純資産は、4百万円増加して2,392百万円となったが、主に新株予約権の増加6百万円による。

また、営業活動によるキャッシュ・フローは196百万円の収入となったが、主な収入は税金等調整前四半期純利益の計上173百万円、減価償却費105百万円等であった。投資活動によるキャッシュ・フローは283百万円の支出となったが、主にソフトウェアを中心とした無形固定資産の取得105百万円、投資有価証券の取得159百万円等による。財務活動によるキャッシュ・フローは280百万円の収入となったが、主に借入金の増加(ネット)366百万円、配当金支払い91百万円などによる。この結果、期間中の現金及び現金同等物は193百万円増加し、期末の残高は2,109百万円となった。

(6) 期中の主な施策及びトピックス
a) (株)ipocaの第三者割当増資を引受(2018年3月)
ipocaへ150百万円(議決権所有割合3.88%)を出資。ipocaが提供する「NEARLY」と同社グループの「SPIRAL®」、「SPIRAL EC®」、「広告」等とのシステム連携を狙う。「NEARLY」は商業施設への送客を支援するアプリで、全国12都市130商業施設に導入済み、13,000店舗の情報を掲載し、ユーザー数は延べ105万人に達している。

b) 下北沢地域の電子地域通貨発行会社シモキタコインを設立(2018年3月)
既述のようにエルコインの子会社として2018年3月にシモキタコインを設立。エルコインが提供する電子地域通貨プラットフォームを利用し、下北沢地域に限定した電子地域通貨を発行する。またアイラブと協業して地元の店舗から出資・加盟店を募り、地域経済の活性化を目指す。

c) 「SPIRAL®」がLINE1:1トークに対応(2018年3月)
「SPIRAL®」のオプションサービスに、顧客からの返信や問い合わせがあった際に企業とユーザーが通常のLINEのように1対1でトークすることが可能な「LINE1:1トーク」を追加した。独自の「対応表明」機能により、複数のオペレーターによる問い合わせへの重複対応を防ぎ、企業のCS向上をサポートする。

d) フレンディットとアズベイスの合併(2018年4月)
既述のように、子会社フレンディット(存続会社)とアズベイス(消滅会社)を合併させ、「SPIRAL EC®」と「SPIRAL PLACE®」とクラウドCTIを融合した新サービス開発を推進する。

e) 「SPIRAL®」新版1.12.5を提供開始(2018年8月)
PHPバージョンアップ作業を支援する新機能「SPIRAL® PHP管理」を実装した新版1.12.5の提供を開始した。これにより「SPIRAL®」内に設定したPHPプログラムをバージョンアップ予定の指定バージョンで一括構文チェックが可能になる。

f) ネット投票の実証実験に成功(2018年8月)
つくば市が開催した「平成30年度つくばSociety5.0社会実装トライアル支援事業」を選出するコンテストの最終審査へ、国内初となるマイナンバーカードとブロックチェーン技術を用いたネット投票システムを提供し、「投票の正当性・秘密投票・データの非改ざん性」の実証に成功した。

g) 「SPIRAL®」がCapyパズルCAPTCHAと連携(2018年8月)
ボットによるリスト型攻撃への対策として、「SPIRAL®」は不正ログイン対策ツール「CapyパズルCAPTCHA」と連携、Webフォームでの登録や会員サイトへのログインにかかるユーザーの負担を軽減し、ボットによる不正な登録やログインを防止する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 パイプドHD Research Memo(6):第2四半期決算は予想下回るも懸念はなし(2)