■事業の概要

4. 『PIXTA』の強み
『PIXTA』は様々な強みを有する。特に重要な点は、24万人以上のクリエイター数と、そこから生み出されてきた約3,000万点のコンテンツ数だ。『PIXTA』の事業モデルにはネットワーク外部性(製品・サービスの利用者数や利用率が増えるに従い、その製品やサービスの質や利便性が向上すること)が存在するが、そうした特別な用語を用いずとも、『PIXTA』は“市場”である以上、商材がたくさん集まる市場はますます活性化して繁盛すると考えれば、上記の素材数とそれを支えるクリエイター数の重要性が理解できるだろう。これまでのピクスタ<3416>の素材点数の成長と業績成長はきれいに重なっている。

同社が創業以来急速に素材点数を蓄積できた要因として弊社が注目するのは、アマチュアの活用だ。これは売り手であるクリエイターと購入者の売り買い双方に通じている。かつては、写真の商業利用はプロフェッショナル(投稿者としてのプロ写真家、利用者としてクリエイティブ関連企業やマスメディアなど)限定だった。しかし『PIXTA』ではアマチュアによる投稿を積極的に受け入れ、利用者についても一般企業や個人の利用を想定した料金体系としている。同業他社にもアマチュアを対象としているところはあるが、アマチュアに対する取り組みに最も注力しているのが同社であり、そこが同社の強さの源泉となっているというのが弊社の理解だ。

素材点数は着実に増加基調を辿っており、2017年12月末では約3,000万点に達した。『PIXTA』の重要な特徴かつ強みの1つとして、日本に関する素材の圧倒的な充実度が挙げられる。日本市場において日本企業が日本人向けに何かを作成する際、あるいは、日本を題材にした資料を作る際、必要とされるのは日本や日本人を素材とした写真だ。現状は、『コンテンツが充実⇒顧客が増加⇒投稿数の増大(=更なるコンテンツの充実)』という好循環が働き、同社の圧倒的優位性が日々強まるというステージにある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ピクスタ Research Memo(5):アマチュアの取り込みでコンテンツ充実させ、顧客数増大⇒投稿増加の好循環を確立