■中長期の成長戦略

6. 中長期の業績計画について
マーケットエンタープライズ<3135>はこれまで中期目標として、2020年6月期において売上高100億円、営業利益10億円の目標を掲げていたが、2017年6月期までの進捗に照らして一旦この目標は取り下げられた。代わりの業績目標は明確には示されていないが、同社が2017年8月14日に発表した、業績目標コミットメント型ストックオプション(有償ストックオプション)の発行条件から業績目標の目途を読み取ることが可能だ。

今回発表されたのは、第6回~第8回のストックオプションだ。これらはいずれも業績達成条件が付けられている。第6回と第7回は、2022年6月期までの期間において、連続する2期の経常利益累計額が5億円を上回った場合、代表取締役と役職員に対してストックオプションが付与されるというものだ。そのうち第6回では、株価が281円を下回った場合には代表取締役は562円で120,000株の強制行使条件(同社自身から見れば代表取締役による増資となる)が付けられている。また、第8回ストックオプションでは、2026年6月期までに経常利益が10億円を超過した場合という業績達成条件が付与されている。

この業績達成条件を反対解釈すれば、2022年6月期までには経常利益3億円~5億円の達成を目指していることがうかがえる。“2年間の経常利益累計額が5億円”であるため、単年度での業績目標は明確ではないが、レンジとしてはこの辺りになってくるだろう。さらに長期的目標として、2026年6月期までには明確に10億円の経常利益を目指していることがわかる。

いずれの業績達成条件にも売上高については言及がないが、弊社ではこれまでの同社の事業の利益率や、今後想定される利益率の方向性(緩やかに低下する)をもとに、5億円の経常利益の段階では80億円~100億円、10億円の段階では130億円~150億円の売上高になるのではないかとみている。2022年6月期の売上高を100億円と仮定すれば、2017年6月期を起点に5年間の年平均成長率は12.2%となる。同様に、2026年6月期の売上高を150億円とした場合、同様に2017年6月期からの9年間の年平均成長率は11.5%となる。いずれも十分達成可能な成長ペースだと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 マーケットE Research Memo(10):22年6月期まで2期累計経常利益5億円程度、経常利益10億円超を目指す