八洲電機<3153>は、産業用システムなどを取り扱う電機技術商社。鉄鋼やエネルギー・鉄道会社等を顧客に設計・調達・工事までを請け負う。

プラント事業、産業システム事業、社会インフラ事業、電子デバイス・コンポーネント事業の4つのセグメントがある。2016年3月期のセグメント別連結売上高及び営業利益は、プラント事業の売上高が21.7%で営業利益が26.7%、産業システム事業の売上高が36.0%で営業利益が42.4%、社会インフラ事業の売上高が18.2%で営業利益が23.9%、電子デバイス・コンポーネント事業の売上高が24.1%と営業利益が7.0%であり、産業システム事業が最も大きな稼ぎ頭でプラント事業がそれに続く。仕入先のうち、45.1%が日立グループ。

(1)独自のエンジニアリング会社として成長へ

同社は、独自のエンジニアリング会社としての成長を希求している。同社のエンジニアの技術が高い理由の1つとして、コーポレートインと呼ばれる同社のエンジニアが顧客企業の事業所内に常駐し、プロジェクトに参画し顧客の立場となってプロジェクトを推進、顧客の問題点やニーズを一早く認識し解決へ導いていることが挙げられる。常に現場で高い技術力が要求される状態であること、またそれに応えられていること、これまで幅広い業界での経験及び知見を積んできており、ノウハウや展開に長けており、別の分野にも展開できていることなどが顧客満足度の高い仕事につながっていると考えられる。技術継承もうまくいっているようだ。また、今後は需要の増加が見込める鉄道分野にも注力する方針である。

(2)業績は下期偏重型、2017年3月期連結営業利益予想は2,010百万円

2017年3月期第2四半期連結業績は売上高が30,856百万円、営業損失が421百万円となったが、同社は下期に利益が集中する傾向にあることに注意したい。今期の会社連結業績予想は、売上高が80,000百万円、営業利益が2,010百万円。期末配当金予想額は、前期の15.00円から記念配当の2.00円がなくなり、13.00円で変更なし。

■Check Point
・顧客基盤は3,000社超と多く、その分野も多岐にわたる
・これまでのノウハウや知見を基に、業界を横断した展開を図る
・上期の業績は落ち込んだが、下期の進捗に注目

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 八洲電機 Research Memo(1):様々な環境や要求に応えられる技術力を持つ電機技術商社