3月1日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:不透明感は強いが、ロシアとウクライナによる停戦協議継続で押し目狙いの動きも
■森永菓、22/3上方修正 純利益280億円←128億円、300万株の自社株買い
■前場の注目材料:キヤノン、半導体露光装置を増産、旧世代技術にも需要


■不透明感は強いが、ロシアとウクライナによる停戦協議継続で押し目狙いの動きも

1日の日本株市場は、ウクライナ危機を受けた対ロ関係の悪化などを警戒しつつも、今後のロシアとウクライナ代表団との停戦に向けた協議の進展を見極めるなか、落ち着きを見せてくることが期待されよう。2月28日の米国市場はNYダウが166ドル安だった。ウクライナ危機を受け政府はロシア中銀との取引禁止を発表するなど、対ロ制裁を強化したことから先行き不透明感が強まった。ただし、NYダウは一時500ドルを超える下落となったものの、金利低下や月末のドレッシング買いによる需給要因から引けにかけて持ち直したほか、ナスダックは上昇に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比90円高の26650円。円相場は1ドル115円00銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から小じっかりで始まりそうだ。ロシアとウクライナの初の停戦協議が開催され、近く2度目の開催で合意した。不透明感は根強いものの、協議を継続するうえでは今後の進展を見極めたいとの流れに向かいやすく、売り込みづらくさせるだろう。そのため、下値の堅さが徐々に意識されてくることから、押し目狙いの動きも見られる可能性はありそうだ。積極的な上値追いは期待しづらいものの、これまで売り込まれていた銘柄などへは自律反発を狙った値幅取り狙いの動きも意識されてきそうだ。

日経225先物はナイトセッションで一時26910円まで上昇し、上値抵抗線として意識されている25日線に迫る場面が見られた。抵抗線突破にはウクライナ危機が和らぐことが条件となるものの、地政学リスクが後退する局面においてはリバウンド基調が相当強まる可能性はありそうだ。日経平均は5日線が位置する26500円水準での底堅さを見せてくるようであれば、25日線が位置する27000円近辺を意識したスタンスからの押し目買い意欲も高まってきそうだ。

また、昨日はマザーズ指数の強い動きが目立っていた。依然として調整トレンドは継続しているものの、上値抵抗線として意識されている25日線を捉えてくるようだと、指数寄与度の大きい時価総額上位の銘柄などへは短期的な上昇を狙った資金は集中しやすいだろう。また、スタートから躓いた直近IPO銘柄などにおいても、上場後の調整で需給整理は一巡していると見られるため、底入れからの反発狙いの動きは強まりそうだ。


■森永菓、22/3上方修正 純利益280億円←128億円、300万株の自社株買い

森永菓<2201>は2022年3月期の純利益予想を128億円から280億円に上方修正した。森永乳業<2264>が2022 年3月1日に実施する自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)における自己株式取得に際し、同社が保有する森永乳業株式の一部を応募することを決定しましたと発表。第4四半期に特別利益として21,946百万円(概算)を計上する見込み。あわせて300万株(発行済み株数に対する割合(自社株除く) 5.96%)、100億円を上限とする自社株買いを決議した。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(26526.82、+50.32)
・ナスダック総合指数は上昇(13751.40、+56.78)
・シカゴ日経先物は上昇(26650、大阪比+90)
・米原油先物は上昇(95.72、+4.13)
・米長期金利は低下
・米国景気の拡大
・海外のコロナ感染沈静化
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・キヤノン<7751>半導体露光装置を増産、旧世代技術にも需要
・トヨタ<7203>きょう国内全工場停止、部品会社にサイバー攻撃
・スズキ<7269>4輪減産緩和、3月国内計画比5%、部品調達難対策が成果
・パナソニック<6752>和歌山工場にEV新型電池新設備
・三菱電機<6503>教示不要のロボシステム技術開発
・IHI<7013>スペースBDと超小型衛星の打ち上げ成功
・クボタ<6326>仏に総合物流拠点、最大20万点の部品収容
・NESIC<1973>23年度にローカル5Gで年商100億円、地域・スマートビル照準
・パナソニック<6752>ベトナムに13億円投資、配線器具・ブレーカー新棟
・カネカ<4118>北海道に新工場、生乳、乳製品原料に加工
・花王<4452>PFNと仮想人体生成の試作品を共同開発


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・09:30 豪・10-12月期経常収支(予想:+153億豪ドル、7-9月期:+239億豪ドル)
・10:30 中・2月製造業PMI(予想:49.8、1月:50.1)
・10:30 中・2月非製造業PMI(予想:50.7、1月:51.1)
・10:45 中・2月財新製造業PMI(予想:49.2、1月:49.1) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~不透明感は強いが、ロシアとウクライナによる停戦協議継続で押し目狙いの動きも~