■NY株式:NYダウ306ドル高、ハイテク株から景気循環株への移行に拍車

米国株式市場はまちまち。ダウ平均は306.14ドル高の31802.44ドル、ナスダックは310.99ポイント安の12609.16で取引を終了した。経済活動の再開が進んでいるほか、バイデン大統領が提示した1.9兆ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案を上院が可決したため速やかに成立し回復をさらに支援するとの期待に寄り付き後、大きく上昇した。特に景気循環株を押し上げ、ダウは日中取引で史上最高値を更新。一方、金利高を警戒したハイテク株の売りは加速した。セクター別では、銀行、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、半導体・同製造措置が下げた。

映画館を運営するAMCエンターテインメント(AMC)はニューヨーク市での営業がほぼ1年ぶりに再開したことを受けて業績改善期待に急伸。また、エンタ—ティンメントのウォルトディズニー(DIS)はカリフォルニア州が新型コロナウイルス対応の規制を緩和する方針を示し早くて4月1日からのテーマパークや野球場の再開を承認したことが好感され上昇した。ビデオゲーム販売のゲームストップ(GME)は、オンラインペット用品販売のチューイー(CHWY)創設者のコーエン氏がィーコマース分野の立て直しを指揮すると発表し急伸。メーカーのゼネラル・エレクトリック(GE)は同社の航空機リース事業とアイルランドのエアキャップ・ホールディングスの統合で合意に近づいていいるとの報道で上昇した。

オンライン衣料品小売のスティッチフィックス(SFIX)は引け後に決算を発表し、収益が予想を下回ったため時間外取引で売られている。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:ドル続伸、米景気回復への期待広がる

8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円56銭から108円94銭まで上昇して108円92銭で引けた。米1月卸売在庫改定値や卸売売上高は予想を上回ったことや、議会上院が総額1.9兆ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案を可決したため、すみやかな法案成立への期待が広がり、金利先高感を受けたドル買いに拍車がかかった。

ユーロ・ドルは1.1887ドルから1.1844ドルまで下落し、1.1845ドルで引けた。ユーロ・円は128円84銭から129円30銭まで上昇。リスク選好の円売りが優勢となった。ポンド・ドルは1.3856ドルまで上昇後、1.3803ドルまで反落。米金利上昇が意識されたが、ジョンソン英首相は「国民の3分の1超が新型コロナウイルスワクチンを接種した」と指摘し、景気回復期待を受けたポンド買いも観測された。ドル・スイスは0.9328フランから0.9370フランまで上昇した。


■NY原油:反落で65.05ドル、ドル高や米金利上昇で利食い売り

NY原油先物4月限は、反落(NYMEX原油4月限終値:65.05 ↓1.04)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比-1.04ドルの65.05ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは64.57ドル−67.98ドル。アジア市場で67.98ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の上昇を警戒して利益確定を狙った売りが広がった。ニューヨーク市場で65ドルを下回り、通常取引終了後の時間外取引で64.57ドルまで下落した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  37.13ドル   +0.20ドル(+0.54%)
モルガン・スタンレー(MS) 81.10ドル   +0.23ドル(+0.28%)
ゴールドマン・サックス(GS)334.19ドル  +6.82ドル(+2.08%)
インテル(INTC)        59.85ドル   -0.89ドル(-1.47%)
アップル(AAPL)        116.36ドル  -5.06ドル(-4.17%)
アルファベット(GOOG)    2024.17ドル -84.37ドル(-4.00%)
フェイスブック(FB)     255.31ドル  -8.97ドル(-3.39%)
キャタピラー(CAT)      221.58ドル  +1.42ドル(+0.64%)
アルコア(AA)         28.47ドル   -0.52ドル(-1.79%)
ウォルマート(WMT)      127.88ドル  -1.24ドル(-0.96%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の米国市場ダイジェスト:NYダウ306ドル高、ハイテク株から景気循環株への移行に拍車