14日の日経平均は3営業日ぶりに反発。79.92円高の26732.44円(出来高概算11億5345万株)で取引を終えた。米ファイザーは、米食品医薬品局(FDA)が11日に緊急使用許可を出したワクチンの出荷を始め14日にも接種が始まる見通しと伝わるなか、ワクチン接種による先行きの経済活動正常化への期待が高まった。また、日銀が発表した短観(企業短期経済観測調査)で、大企業製造業の景況判断が2期連続で改善したことも材料視された。小動きで始まった日経平均は寄り付き直後に一時26870.47円まで急伸する場面がみられた。その後はこう着感が強まっていたが、26700円から26800円辺りでの高値もち合いが続いた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは海運、その他製品、機械、その他金融、倉庫運輸、輸送用機器、情報通信、鉱業が堅調。半面、証券、空運、精密機器、サービス、食料品、鉄鋼が小安い。指数インパクトの大きいところではソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、NTTデータ<9613>、ダイキン<6367>、トヨタ<7203>が堅調。一方で、テルモ<4543>、ヤマハ<7951>、オリンパス<7733>、エムスリー<2413>が冴えない。

寄り付き直後の強い動きによって26800円を回復した日経平均は、その後はこう着感の強い相場展開だった。指数インパクトの大きいソフトバンクGは寄り付きを高値に上げ幅を縮めており、その他の指数インパクトの大きい値がさ株についても、日中高値圏でのこう着といった値動きであり、上値を追いづらいところであった。東証1部の売買代金は2.3兆円にとどまっている。一方で寄り付き直後に12月SQを突破し、その後も概ねSQ値を上回っての推移が続いており、27000円を意識したスタンスになりそうだ。

一方でトヨタが強いリバウンド基調を続けており、2月につけた年初来高値に迫っている。政府の政策によるEV化加速への思惑からEV関連の材料株への物色が続いているほか、太陽光など再生エネルギー関連への物色も活発であり、個人主体による材料株への物色がみられている。明日からはIPOラッシュとなるため物色対象に変化がみられそうだが、資金回転が早い需給状況であるため、IPOが好発進となれば還流資金が他の中小型株やテーマ株へ波及することが期待されよう。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 買い一巡後はこう着もSQ値を上回っての推移【クロージング】