■NY株式:NYダウ969ドル安、新型肺炎による景気や企業業績の悪化懸念が重し

米国株式相場は反落。ダウ平均は969.58ドル安の26121.28、ナスダックは279.49ポイント安の8738.59ポイントで取引を終了した。カリフォルニア州のニューサム知事が4日、州全域に非常事態宣言を発動するなど、米国でも新型コロナウイルスの感染拡大ペースの加速が報告されると、経済や企業業績に悪影響を与えるとの一段の懸念が広がった。セクター別では消費者サービスが大きく売られた一方で、食・生活必需品小売りの下落は最小限にとどまった。

航空大手サウスウェスト航空(LUV)は第1四半期の業績見通しを引き下げたことが嫌気され、下落。同業のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)も需要の鈍化への対処で減便、採用停止やパイロットの減給計画を発表して大幅下落となった。クルーズ船運営のカーニバル(CCL)は、カリフォルニア州沖合で同社が運航する「プリンセスクルーズ」船内で新型コロナウイルスの感染が広がっている可能性があると米保健当局が報告したことが嫌気され急落。一方でスーパーマーケット最大手のクローガー(KR)は四半期決算が好感され上昇。ビデオ会議サービスを提供するズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)は11-1月期決算で一株利益、売上高ともに予想を上振れ上昇した。

米10年債利回りは0.9%を割り込み0.898%と、過去最低を記録した。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:3月FOMCでの追加利下げ織り込みドル全面安

5日のニューヨーク外為市場でドル・円は106円95銭から一時105円97銭まで下落して106円16銭で引けた。米国の10-12月期非農業部門労働生産性改定値や1月製造業受注が市場予想を下回り、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測が強まる展開となった。米国10年債利回りは一時0.9%を割れ過去最低水準となると、ドル売りに拍車がかかった。新型肺炎の感染急拡大が経済や企業業績に一段と害を与えるとの懸念にリスク回避の円買いも加速した。

ユーロ・ドルは、1.1167ドルから1.1245ドルまで上昇して1.1238ドルで引けた。ユーロ・円は119円68銭から119円00銭まで下落した。株安が嫌気された。ポンド・ドルは1.2905ドルから1.2969ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9543フランから0.9447フランまで下落した。


■NY原油:続落で45.90ドル、米国株安を嫌気した売りが強まる

NY原油先物4月限は続落(NYMEX原油4月限終値:45.90 ↓0.88)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比-0.88ドルの1バレル=45.90ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは、45.65ドル−47.57ドル。時間外取引となる5日のアジア市場で47.57ドルまで買われたが、通常取引開始後は米国株安を嫌気した売りが強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で一時45.65ドルまで続落した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  26.78ドル   -1.43ドル(-5.07%)
モルガン・スタンレー(MS) 42.59ドル   -2.65ドル(-5.86%)
ゴールドマン・サックス(GS)198.79ドル  -9.95ドル(-4.77%)
インテル(INTC)        56.96ドル   -1.72ドル(-2.93%)
アップル(AAPL)        292.92ドル  -9.82ドル(-3.24%)
アルファベット(GOOG)    1319.04ドル -67.48ドル(-4.87%)
フェイスブック(FB)     185.17ドル  -6.59ドル(-3.44%)
キャタピラー(CAT)      121.97ドル  -5.43ドル(-4.26%)
アルコア(AA)         11.89ドル   -0.99ドル(-7.69%)
ウォルマート(WMT)      115.92ドル  -0.85ドル(-0.73%)
スプリント(S)         9.14ドル   -0.43ドル(-4.49%)





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情報提供元: FISCO
記事名:「 5日の米国市場ダイジェスト:NYダウ969ドル安、新型肺炎による景気や企業業績の悪化懸念が重し