15日の日経平均は反落。108.59円安の23916.58円(出来高概算11億2000万株)で取引を終えた。米中両国は米東部時間15日、貿易協議「第1段階の合意」の署名式を米ホワイトハウスで行う。これを見極めたいとする模様眺めムードの中、対中関税は11月の米大統領選挙が終わるまで維持される可能性が高く、引き下げの有無は中国による第1段階合意の順守状況次第だと、関係者の話として伝えられたことが重石となった。

利食い先行で始まった日経平均は、前日に24000円を回復した目先的な達成感もあり、本日は23900円を挟んでのこう着。寄り付き直後につけた23997.39円を高値に、後場半ばには23875.82円まで下げ幅を広げる局面もみられた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは、ゴム製品、鉄鋼が小じっかりな他は、31セクターが下落しており、非鉄金属、鉱業、電気機器、海運、機械、証券の弱さが目立っている。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ダイキン<6367>が冴えない一方で、ファーストリテ<9983>が下支える格好だった。

こう着感の強い相場展開となったが、ファーストリテが日経平均を約35円下支えするなど、本日も薄商いの中でインデックスに絡んだ売買の影響が大きかったとみられる。個人主体の物色では、決算を手掛かりとした中小型株に向かう流れとなったが、参加者が限られていることもあり、下方修正に対する株価の下押しの大きさが目立っている。それ程大きくないエネルギーでも大きく値を崩す状況が目立っており、ややイレギュラー感がある。

明日は、米中貿易協議の第1段階の合意の署名を受けた米国市場の反応が注目されるところである。対中関税は11月の米大統領選挙が終わるまで維持される可能性が高いと伝えられているが、一先ず貿易戦争は休戦となるため、安心感につながろう。また、米国では決算シーズンに入ったが、昨日はJPモルガン・チェース、シティグループの決算が好感されている。15日はゴールドマン・サックス、USバンコープ、ブラックロックなどの金融株のほか、アルコアの決算が予定されている。ゴールドマン・サックスの決算が好感されるようだと、日本市場への波及も意識されやすいだろう。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 一先ず米中貿易戦争休戦で安心感も【クロージング】