19日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。今月末の米連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定に向け、引き続き大幅利下げへの思惑が広がりやすい。ただ、経済指標や当局者発言で慎重的な見方が後退すれば、ドルの買い戻しが見込まれる。

前日の海外市場で注目された米7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は予想を大きく上回り、米中貿易戦争の影響による景気腰折れ懸念を和らげた。しかし、ウィリアムズNY連銀総裁が講演で、各国の中銀は経済に問題が生じている兆候があれば迅速に行動を起こすべきと発言。市場では、FRBが30-31日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で予防的な大幅利下げに前向きと受け止め、ドル売り優勢の展開に。その後、過去の調査に基づいた学術的見解で政策行動に関するものではないとNY連銀が説明したことで、本日のアジア市場でドル・円は107円60銭台に買い戻された。

FRBの政策金利の引き下げ幅に関し25bpか50bpか市場の見方は分かれ、この後の欧米市場では引き続き米国の経済指標と当局者の発言が材料視される。23時発表の7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は前回を小幅に上回る見通しで、個人消費が上向きであることが確認されれば、ドル買いに振れそうだ。また、ブラード米セントルイス連銀総裁とローゼングレン米ボストン連銀総裁の発言も注目される。特に、ブラード総裁はハト派とされるが、大幅利下げに否定的な見解を繰り返せばドル買い要因となろう。ただし、週末の調整売りでドルの上昇は抑えられる可能性もある。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・6月公的部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+39億ポンド、5月:+51億ポンド)
・21:30 カナダ・5月小売売上高(前月比予想:+0.3%、4月:+0.1%)
・23:00 米・7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:98.8、6月:98.2)
・24:10 ブラード米セントルイス連銀総裁が討論会参加(NY)
・05:30 ローゼングレン米ボストン連銀総裁や黒田日銀総裁が討論会参加(NY)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか