5日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:利食い優勢の展開のなか、個人主体の中小型株物色に
■前場の注目材料:ゼネパッカー、通期業績予想を上方修正
■シャープ、調達見直し、原料転売解禁、余剰電力活用、太陽電池事業を改善


■利食い優勢の展開のなか、個人主体の中小型株物色に

5日の日本株市場は、米株安の流れを受けて売り優勢の展開となろうが、売り一巡後は次第に底堅さが意識されそうだ。連休明け4日の米国市場は、カナダとの通商交渉再開を控えて、トランプ大統領のカナダに対する強硬姿勢が米国の業界団体や両党議員の反発を招いており、先行き不安から売りが先行した。NYダウは一時160ドル安程度下げる局面もみられたが、その後は下げ幅を縮めている。シカゴ日経225先物は一時22600円まで下げているが、清算値は大阪比60円安の22710円だった。円相場は1ドル111円40銭台で推移している。

基本的には米国とカナダとの通商交渉の行方を見極めたいとする模様眺めムードが強く、全体としては調整基調になろう。トランプ米大統領は6日のパブリックコメント提出期限後に、2000億ドル規模の中国製品に対する追加関税を発動させる意向であり、これを見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすい。ただ、指数インパクトの大きいファーストリテ<9983>が日経平均を下支えすることになりそうだ。同社が4日発表した2018年8月期の国内既存店売上高は前期比6.2%増だった。天候の恩恵を受けダウンコートや速乾性の衣料が好調で、客数や客単価も9年ぶりにプラスとなっている。

また、米国市場は下落したものの、アップルに続いて、アマゾンの時価総額が一時的に1兆ドルを突破するなど、FANG銘柄への資金流入は継続。半導体大手AMDは11%超の上昇となっていることも、支援材料になるだろう。連休明けの海外勢の資金流入も需給面での下支えとなる可能性がある。日経平均は節目の23000円突破には材料が必要であり、上値追いは慎重ながらも海外勢の需給が下支えとなり、こう着ながらも下値の堅さが意識されるようだと、次第に中小型株にシフトする展開もありそうだ。

昨日は 売買代金が連日で2兆円を下回る薄商いの中、中小型株の強さが目立っていた。バイオ関連の上昇が目立っており、低位のバイオ株への波及もみられていた。資金の逃げ足は速いものの、調整が続いていた銘柄などには値ごろ感も働きやすく、個人の物色意欲の強さが窺える。


■ゼネパッカー、通期業績予想を上方修正

ゼネパッカー<6267>は4日、通期業績予想の修正を発表。売上高は70.98億円(従来は67.00億円)、営業利益を3.72億円(同2.40億円)へ上方修正した。包装機械事業における新規開発機種の利益率改善が順調に進み売上総利益率が前回発表予想時における想定より上昇した。


■前場の注目材料

・1ドル111円40-50銭
・SOX指数は上昇(1410.93、+9.73)
・米原油先物は上昇(69.87、+0.07)
・8月のユニクロ既存店売上高8.8%増
・好調な企業業績

・シャープ<6753>、調達見直し、原料転売解禁、余剰電力活用、太陽電池事業を改善
・スズキ<7269>、中国生産撤退、合弁解消
・特殊陶<5334>、新規事業に力、VB連携、スピード重視


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・09:30 製造業PMI確報値(8月)  52.5
・09:30 サービス業PMI(8月)  51.3

<海外>
・10:30 豪・GDP(4-6月) 2.8% 3.1%
・10:45 中・財新サービス業PMI(8月) 52.5 52.8
・10:45 中・財新総合PMI(8月)  52.3



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~利食い優勢の展開のなか、個人主体の中小型株物色に