こんにちは、フィスコマーケットレポーター高井ひろえの「投資の学校の気になるレポート」です。投資の学校グループの戸松信博先生のコラムについて興味深い記事を見つけましたのでご紹介いたします。

さて、本日ご紹介するコラムでは、戸松先生が『米国と中国それぞれの思惑』という記事で、米国や中国、そして世界経済の状況やご自身の視点から見た米中貿易戦争の現状についてお話しています。

まず、『当初からブラッフィングに過ぎないと見ていた米中通商バトルは最初の期限切れを迎え、7月6日より25%の追加関税が現実に課される運びとなりました』と説明。しかし、『開戦を迎えた米国株の反応は上昇、ナスダックは大幅高で再び高値更新の気配すら出ている状況です』と伝えています。「開戦」を迎えた米国株が上昇した理由として、次のようなことが挙げられると考えられると思います。まず、開戦の前日、5日の米国株式市場にて、米中貿易摩擦による影響が強く見込まれる銘柄の株価が堅調に推移し、投資家心理を明るくしていたことです。例えば、半導体のマイクロン・テクノロジーが中国による販売禁止処分による売上高の影響が軽微として業績見通しを据え置き、堅調推移となりました。また、今週後半から始まった4-6月期決算発表への期待感です。更に、6月雇用統計で非農業雇用者数が前月比21万3千人増と予想を大幅に上振れたことも好感されました。これらなどの理由により、米国株は買われる展開となりました。

そして戸松先生は、実際に制裁が始まったのは、『米国輸入額の7%未満にすぎません』と説明。しかもこれは『恒久的に続けられるものではなく、交渉の進展次第でいつでも白紙撤回可能なもの』で、米国にとって『いつでも引っ込められる小さなカード』であると述べています。一方、中国は余裕が少なく、米国が次に輸入額のうち2000億ドルを関税対象にするというカードを切ってくるかを受け身で待ち、米国の本気度を試す作戦だと指摘。

もし米国が次のカードを切った場合は、『中国は妥協するか全面貿易戦争に入るかですが、政治的事情から全面戦争回避が優先』されると話しています。結果、『制裁関税は短期間実施したとしても、交渉の道具に過ぎなかったと分かるでしょう』と説明。

最後に戸松先生には、『米中貿易戦争に関して、また重要な動きがあれば、この日刊ブログでもお話していきたいと思います』と締めくくっています。特に日本株については、『世界の景気敏感株』と呼ばれているように、他国の株と比較しても世界情勢に敏感な株であるといわれているので、目先の動向に注目しつつも、戸松先生がお話されたような中長期的なシナリオも意識しながら投資に取り組んでいきたいと思います。

なお、上記の記事の詳細コメントは、株式会社ファイナンシャルインテリジェンスが運営している「投資の学校プレミアム」の7月10日付のコラムである『米国と中国それぞれの思惑』にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

高井ひろえの「気になるレポート」は各種レポートを高井ひろえの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合がありますので、ご留意くださいませ。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ




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情報提供元: FISCO
記事名:「 米国と中国それぞれの思惑~投資の学校(高井ひろえ)