以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家「株師孔明」氏(ブログ「株師孔明の株&仮想通貨ブログ」)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2018年6月28日7時に執筆

【株師孔明の株&仮想通貨ブログ】にて、株や仮想通貨のブログを執筆している「株師孔明」と申します。どうぞ、お見知りおきを。

6月の株式市場は、米朝首脳会談を無事通過したことや、IPOラッシュなどの影響で一定の盛り上がりを見せた。サッカーW杯で日本代表が予想外の活躍を見せたことも市場参加者のマインドに明るさを灯すと期待していたが、貿易摩擦の懸念が一段と高まり、後半は軟調な推移となった。

ここで、改めて6月の株式市場を振り返ってみたい。

■北朝鮮リスクが和らぐも貿易摩擦への懸念は高まる

6月前半の株式市場では、米朝首脳会談の動向が市場の関心事であった。米朝首脳会談はシンガポールで無事開催されて無難な結果となり、株式市場には安心感が広がった。

しかし、米中を中心とする貿易摩擦の激化が懸念され、月後半には株価下落に見舞われる銘柄が多くなった。アメリカが鉄鋼や自動車にかける関税を引き上げれば、輸出産業が盛んな日本への打撃も少なくない。

ただ、一律に関税が引き上げられるわけではなく、例外も明らかになっており、日本では一部企業の鉄鋼製品が関税対象から外れることとなった。

輸出企業の株価は米利上げの限界が指摘されていることに伴う円高懸念や、貿易摩擦問題が重石になっているが、独自性の高い製品を輸出している銘柄は今後も株価が好調に推移することが期待できるとみている。

■メルカリIPO人気やW杯日本代表の活躍が好材料

6月はIPOラッシュの月であり、中でも上場規模が大きいメルカリIPOには高い関心が集まった。公募価格3,000円を大きく上回る初値5,000円を記録したことで、その後のIPO銘柄に資金が流入しやすい環境となった。

月後半には最大震度6弱を観測する大阪北部地震が発生し、防災関連銘柄が物色された。短期的には相場に影響を与えたものの、長期的に大きく混乱することはなかったと言える。

また、サッカーW杯がロシアで開幕し、直前での監督交代など不安要素もあって前評判が低かった日本代表が予想外の活躍を見せた。日本時間では夜間に開催される日本代表戦の観戦意欲が高まり、宅配弁当サービスなどを提供する銘柄の一角には資金も向かったようだ。サッカー人気の高まりによる恩恵はW杯閉幕後も続く可能性がある。

■6月に注目された銘柄

<6474>不二越
輸出にも積極的で貿易摩擦に伴う関税引き上げが懸念されていたが、アメリカが不二越の鉄鋼製品を関税対象外としたことから月後半に株価が反発した。今後も、関税引き上げで打撃を受ける他の輸出銘柄からの資金シフトなどに期待できる。

<6082>ライドオンエクスプレスホールディングス
「銀のさら」ブランドなどで食事の宅配サービスを提供している。サッカーW杯関連銘柄の筆頭格として株価が大幅上昇した。実際に深夜の日本代表戦を観戦する世帯で宅配サービスを始めて利用した層がリピーターとなれば、中長期的な業績伸長を進めやすくなる。

<4385>メルカリ
フリーマーケットアプリを展開する新興企業で、今月IPOを果たした。初値は公募価格を大きく上回り、その後も公募価格を上回る水準で株価が推移している。高い成長性が期待されていることから、今後もIPOセカンダリー投資の需要などを取り込みやすいとみている。

<8267>イオン
内需関連銘柄の筆頭格であり、国内で賃金引き上げやボーナス増額などが進むことで恩恵を受けられる。日銀がイオン株を大量保有していることも報じられ、個人投資家に人気の高い株主優待と合わせて株価を下支えする材料となりそうだ。

<3646>駅探
クラウドにて交通費精算を進められるサービスの販売開始を発表したことが好感された。人材不足が叫ばれる中で企業内の事務負担軽減に取り組む企業が多く、業績に大きく貢献することが期待される。指標面で極端な割高感がないことからさらなる資金流入もあり得るとみている。

<3998>すららネット
内需関連銘柄でありながら成長性が高く、成長期待の資金を取り込みやすい。学校でも教材の電子化が進められていることから、着実に需要を取り込み、業績を拡大させやすい銘柄だろう。

<4825>ウェザーニューズ
大阪北部地震の際に注目を集めた。猛暑が予想される今夏もゲリラ豪雨や台風襲来等で気象情報への関心が高まることが予想され、7月以降もテーマ性が意識されやすい。地震後の株価急騰が落ち着いている段階で仕込んでおいてもよいだろう。

■まとめ

6月に注目された銘柄には、直近IPO銘柄や貿易摩擦の影響を避けられそうな輸出銘柄、サッカーW杯関連銘柄などが見られる。

月後半に株式市場が下落傾向となる中で、テーマ性のある個別銘柄の物色が目立つ結果となった。IPOは7月にも多数予定されていることから、セカンダリー投資などの動きが強まることもあり得る。

また、今夏のボーナス支給が好調な点を踏まえれば、内需関連銘柄も売上高の伸びに伴って資金を集めるチャンスが生まれやすくなる。

景気の先行きが不安視される中で、景気動向に関わらず株価上昇に期待しやすい銘柄については、7月以降も株価が急騰する場面が出てきやすい。

貿易摩擦問題の動向を注視しつつ、注目銘柄を選別していきたいところだ。

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執筆者名:株師孔明
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情報提供元: FISCO
記事名:「 個人投資家株師孔明:2018年6月の株式市場振り返り【FISCOソーシャルレポーター】