15日の日経平均は4日続落。141.23円安の22553.22円(出来高概算18億4000万株)で取引を終えた。前場に一時22500円を割り込み、下落幅は200円を超えたが、後場は一変、プラス局面を回復して22700円を回復する場面をみせた。ただし、5日線に上値を抑えられる格好で再び下げに転じるなど、値動きの荒い相場展開となった。

14日の米国市場ではディズニーによるM&Aや堅調な小売売上高が好感されたが、税制改革への先行き不透明感から下げに転じている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円安の22560円となり、これにサヤ寄せする格好から売りが先行。また、為替がやや円高に振れて推移しているほか、12月の日銀短観で大企業・製造業の3ヵ月先の業況判断DIが市場予想を下回ったことも利食い売りにつながったようである。

しかし後場に入ると日銀のETF買い入れへの思惑等もあって急速に切り返しをみせた。参加者が限られる中で、よりインデックス売買のインパクトが大きかったとみられる。ただ、主力大型株への資金流入に限られたほか、KDDI<9433>、ソフトバンクG<9984>が下げ止らず、大引けにかけては再び下げ幅を広げる展開となっている。

セクターでは、情報通信、海運、電力ガス、その他金融、鉄鋼、不動産、陸運が下落。半面、水産農林、空運、小売、証券、パルプ紙がしっかり。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が6割を占めていた。

米税制改革の先行き不透明感から手掛けづらさはあったが、先週のメジャーSQ通過や、米FOMCを通過のほか、海外勢のフローは減少するなか、インデックス売買によるインパクトがより大きくなっているようである。日経平均が25日線を一時割り込んだことによる売り仕掛け的な動きもあったとみられる。中小型株についても決算等の要因はあったとはいえ、一方向に需給が傾きやすく、過剰反応をみせてくる動きが目立ってきそうである。来週はクリスマス前で海外勢はほぼ休みとなるなか、市場の関心は18日からシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で先物取引が始まるビットコインに向かっているとの声も聞かれる。限られた参加者による短期的な値幅取りが中心になりそうだ。(村瀬智一)



<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 参加者限られ一方向に需給が傾きやすく【クロージング】