30日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:理想的な循環の中で物色対象に変化
■外資系証券の注文動向:差し引き170万株の買い越し
■前場の注目材料:ファナック、スカラ(水平多関節)型ロボット投入、ラインの選択肢拡大


■理想的な循環の中で物色対象に変化

30日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開が続こう。29日の米国市場はNYダウが100ドル超の上昇となり、連日で最高値を更新している。7-9月期GDP改定値が市場予想を上振れ、米長期金利の上昇が好感された。一方で、ハイテク株を中心に売りが広がっており、ナスダックは下落。シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円高の22655円だった。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買いが先行する格好になろうが、世界的にハイテク株の利益確定の流れが続いており、これが日経平均の上値の重しになる可能性がありそうだ。米国では、これまで相場をけん引していたFANG株に対する利益確定の流れが強まってきており、主力ハイテク株への利食いの流れは今後も続くことになろう。

一方で、米長期金利の上昇から、金融セクターへの資金流入が本日も意識されることになる。リスクは回避的な資金シフトというよりも、理想的な循環の中で物色対象に変化がみられており、先高期待は依然として強いだろう。相対的に出遅れているセクターや中小型株などへ関心が集まることになる。

ただし、地政学リスクへの警戒のほか、石油輸出国機構(OPEC)総会が開催されることから、これを見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすい。日経平均はこのところのもち合いレンジで一段と煮詰まることになりそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き170万株の買い越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り550万株、買い720万株、差し引き170万株の買い越しとの観測。

11月 22日(水):120万株の買い越し
11月 24日(金):134万株の買い越し
11月 27日(月):340万株の売り越し
11月 28日(火):350万株の買い越し
11月 29日(水):70万株の売り越し


■前場の注目材料

・米7-9月期GDP改定値が市場予想上回る
・NYダウは上昇(23940.68、+103.97)
・好業績銘柄への物色意欲の強さ
・シカゴ日経225先物(22655、+35)
・ドル円、1ドル111円90-112円00銭
・日経平均は上昇(22597.20、+110.96)
・マザーズ指数は上昇、(1165.84、+0.19)


・ファナック<6954>スカラ(水平多関節)型ロボット投入、ラインの選択肢拡大
・日産自<7201>今年度国内生産100万台割れも、無資格検査響く


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・09:00  岩田日銀副総裁が東大・日銀共催コンファレンスであいさつ
・09:00  安倍首相や麻生財務相ら全閣僚が出席して参院予算委員会で質疑
・10:30  原田日銀審議委員が講演、同記者会見

<海外>
・09:30  豪・民間新規設備投資(7-9月)    0.8%
・10:00  中・製造業PMI(11月)  51.5  51.6
・10:00  中・非製造業PMI(11月)    54.3
・10:00  中・SWIFTグローバル支払CNY(10月)



<HT>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~理想的な循環の中で物色対象に変化