8日のドル・円相場は、東京市場では108円49銭から107円58銭まで下落。欧米市場でドル・円は一時107円32銭まで続落し、107円80銭で取引を終えた。

本日11日のドル・円は、前週末の下落を受けた買い戻しが入り108円台で推移か。ただし、北朝鮮情勢をめぐる地政学的リスクを背景とした有事の円買いは根強く、ドルの上値は限定的か。

前週末(8日)にドルは107円32銭まで下げたが、9日と10日に北朝鮮によるミサイル発射は確認されていないことから、11日早朝よりドルの買い戻しが先行している。また、米長期金利が小幅に上昇したこともドル相場を支えている。ただ、米朝間の情勢緊迫化が引き続き予断を許さない中、比較的安全資産とされる円を買う動きは根強い。

米国は原油や天然ガスの供給停止や北朝鮮繊維製品の全面禁輸を含む新たな制裁決議案を、11日の国連安保理緊急会合で採決を目指す方針を示した。これに対して、北朝鮮外務省は、「いかなる最終手段も辞さない準備ができている」と米国に対して警告している。また、ニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁は8日のテレビインタビューで、利上げ時期を判断するのは早過ぎるとの見方を示したことから、市場では年内の追加利上げ観測が後退。さらに、フロリダ州南部に到達した大型ハリケーン「イルマ」の経済的影響への懸念も強く、積極的にドルを買うポジションは控えられそうだ。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:地政学的リスク存続で円買い継続の可能性も