8日の日経平均は反落。121.70円安の19274.82円(出来高概算18億6000万株)で取引を終えた。先物オプションSQに絡んだ売買が売り越しとなるなか、日経平均は19300円を下回って始まった。また、北朝鮮が9日の建国記念日や10月10日の朝鮮労働党創建記念日に合わせ「大陸間弾道ミサイル(ICBM)を通常角度で発射する可能性がある」と伝えられるなか、引き続き積極的な売買は手控えられた。

一方で、米上院で債務上限引き上げ法案が可決するなど、米政権運営に対する不透明感は和らいでいる。また、足元の需給整理が一巡した感はあり、下を売り込む流れにはならず、SQ値概算(19278.13円)を上回っての推移に。しかし、後場半ば辺りには為替市場でドル円が1ドル107円台と円高に振れると、日経平均はSQ値を下回り、ポジション圧縮の動きが強まった。

セクターでは保険、鉄鋼、食料品、証券が下落。一方で、その他製品、サービス、空運、医薬品が小じっかり。日経平均は北朝鮮情勢への警戒と円高が嫌気されるなか、終値ベースでは4月末以来の19300円を下回った。前場段階で上回っていたSQ値を、後場半ば以降に割り込んできたことで、心理的な不安要因にもつながったとみられる。

まずは北朝鮮情勢を見極めることになろうが、9日にICBMの発射が行わなければ、一先ず安心感につながることになろう。もっとも、懸念要因が払拭されるわけではなく、積極的な売買は引き続き手控えられそうだ。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 不安心理から円高やSQ値割り込む【クロージング】